秋が過ぎこれから冬を迎えるという季節に、病からの奇蹟の生還(実際は人から鬼へのチェンジ)を果たした鬼灯は大学院復帰の前に引っ越しを行った。
シーズンオフだったのもあって良い引っ越し業者も安く雇うことが出来、社員教育がされているのか大きな棺のことは誰も詮索してこなかった。
新居は今まで棲んでいたところより大学から四駅ほど離れた郊外だが前のアパートよりも広めの1DKでロフトもあるので誰かが泊まりに来ても大丈夫……と不動産屋は言っていた。
近所の人の噂によると、このアパートは綺麗で家賃も安いのだけれど幽霊屋敷だとかで鬼灯以外は誰も入居しなかったそうだ。
上下左右空き部屋だから多少騒がしくしても構わない、ふと座敷童子を呼んでみようかと考えたけれど、そうすれば閻魔庁が廃れてしまう。
ちなみにこのアパートが幽霊屋敷と呼ばれるのは篁が利用していたような井戸のような地獄へ通じる場所の上に建っているからだ。
いっそ土地ごと地獄が買い取って現世で働く獄卒達の社宅しても良いかもしれない。

「思ったより服もボロボロになってたね、まぁ防腐処理とかしてなかったから仕方ないけど」

そんなアパートの自室、新しく買ったソファーに座り本を読んでいる鬼灯に白澤は言う、半分は独り言のようなものだろう。
彼は今、鬼灯(前世)の白骨を棺から取り出し丁寧に磨いていている最中だった。

「そうですね、肉と一緒に腐敗してしまったのでしょう、貴方の服もボロボロでしたよ」

というか防腐処理も施していない遺体と一緒に棺へと入ったのか、と驚く、恐らく即効で眠りについたのだろうけれど普通は抵抗あるものだ。

「私の身体、永遠に形を留めようとは思わなかったんですか?よく解りませんが時の神あたりに頼めばそれも可能でしょう?」
「可能だけど……自然に朽ちてゆける者はそのままの方が良いと思ったんだよ、それに神が鬼の後追いなんて前代未聞な事を許してもらったからね、流石にそれ以上我儘は言えないだろ」

――後追い、とは
他に言いようがないのだろうか、別に自分は構わなないが白澤は一応善神なのだから……等と鬼灯が考えている最中も白澤の骨磨きの手は止まらない。
一つ一つ丁寧に磨かれる手付きはとても優しい、地獄に転がっている骨の扱いに見慣れていたから余計そう感じてしまう。
白澤の指先は鬼灯の密かに好きな部位だが、あまり見ていたら可笑しいだろうと目を逸らし読書を再開させた。

「実は棺入る時さ折角だから婚礼衣装を着ようかなって考えたんだよね、でもやっぱり長年見てきた普段着がいいと思ってさーそれで正解だったね」

機嫌がいいのだろうか、鼻歌でも歌いだしそうな雰囲気でそんなことを言うから、ページを捲る手が止まった。

「着たいのならいつでも着せてやりますよ」

婚礼衣装。
日本式でも中華式でも彼なら似合うだろう。

「……あ」

ワンテンポ遅れ、漸く自分が何を言ったのか理解した白澤は焦りだした。
別に今の鬼灯に結婚を催促するつもりはないのだ。
あの時はもう永遠に眠りにつくのだから最後に己の願望を叶えたいとほんの僅か思っただけだった。

「違うからな!!そういう意味じゃなくて、ほらアレだよアレ!!」
「何が違うのかも何がアレなのかも解かりませんが、私は結構最初からそのつもりで貴方と交際していましたよ?」

というか幼い頃から、いつかこの神を我が伴侶にせんと決めていた気がする。
ぐうの音も出せなくなった白澤は膝の横に置いていた頭蓋骨(骨灯と命名したらしい、何故だ)を抱きしめ気まずそうに俯いた。
前世の自分に嫉妬するわけじゃないが、角の生えた頭蓋骨を四六時中肌身離さず連れて歩かれるのは迷惑だ。
外出する際もバックに入れているから、もしも警察の持ち物検査に引っ掛かったらどうするのだと(そこは神パワーでどうにかするだろうけど)言いたい。
抱きしめる時に邪魔というのが一番の理由だが。

「それに地獄に帰省した時も皆さんに言われたじゃないですか」
「なんて?」
「鬼灯様と白澤様は現世で新婚旅行なさるんでしょ?って」

もう官吏という立場ではなくても鬼である鬼灯が現世に住まうにしても地獄の許可が必要だった。
だから大学へ復学する前に一度帰省し、十王に会っておいたのだ。
長年地獄の為に働いてきたのだから数十年くらいの自由は許すと言ってもらえ、久しぶりに閻魔大王や知人達と懐かしいやりとりができた。
白澤の方も中華天国に出向くかと思ったが、時間の感覚の可笑しい神々なんかに会いに行けば十年は解放してもらえなくなると言って鬼灯と行動を共にしていた。
そういえば別行動をとったのは鬼灯が幼馴染達と呑むと言った時くらいではなかったか、水入らずを邪魔しちゃ悪いからと白澤は自分も桃太郎や麒麟鳳凰と桃源郷へに帰って行ったけれど、それ以外はベッタリだったような。

「あれは……皆からのちょっとした仕返しっていうか」
「まぁ、でも皆さん意地悪というより私達をからかってるだけのようでしたよ?」

その言葉をキッカケに二人はあの時のことを回想し始めた……




* * *





地獄滞在最終日、衆合地獄で妲己とリリスに甘味をご馳走していた時のこと。

「はぁい鬼灯様、頼まれていたホモサピエンス擬態薬ですわ、とりあえず1ダースでいいかしら?」

相変わらずの美貌で誘惑の眼差しを送ってくるリリスに鬼灯は至って事務的に返答する。

「1ダースでは少ないですね、今度は年単位で現世に生活しますので」
「大丈夫!ここ数年で魔法薬も改良がされて一本で一ヶ月は擬態できるようになったの、これなら副作用もなくてよ?ただ効き目が長い分うっかり飲み忘れがないように気をつけて下さいねぇ」
「なんと、EU地獄がそこまで進歩しているとは……」

日本地獄もウカウカしてられない、頑張れ桃太郎さん!と日本薬剤界のホープに心の中でエールを送る鬼灯。

一方白澤は妲己と楽しくお喋りをしていた。

「やっぱり衆合地獄って賑やかでいいよね!この雰囲気、僕は好きだなぁ!」
「ふふ、そんなこと仰って今日まで来て下さらなかったじゃないですか、帰って来ると聞いて楽しみにしてたのに」
「ごめんね、挨拶回りが忙しくて、でもこれからは前みたいに沢山お店に通うからさー」

擬態薬の受け渡し中に横でそんな話をされ、思わず二人の方を睨む鬼灯、恋人の前で何言ってんだお前という目だ。

「……実はね白澤様、衆合地獄の店主達で話合った結果、今後白澤様は妓楼への出入りは禁止しようってことになったの……」

はい?

「えぇ!?なんで!?」

残念そうに溜息を吐きながら言う妲己に白澤だけでなく鬼灯も驚き、鋭い瞳を丸くさせる。

「ほら白澤様には一度手酷く振られてしまいましたから妾達」
「え?僕、振ってなんかいないよ?」
「鬼灯様と共に眠りにつくと言われた時みんなで止めたのに聞いて下さらなかったじゃないですか」
「それは……」

白澤は言葉に詰まる。
確かに中華天国や日本地獄には白澤に往かないで欲しいと縋る者が何人もいたが、それら全てを跳ね退けた。
自分の行動は他の全てを捨て鬼灯を選んだも同然なのだと白澤は思うが、それを悪いことだと思いたくはない。

「たしかに勝手なことしたと思うけど、そのことでは謝れないよ、僕」
「ええ、妾達も怒ってはいません……ただあんな風に振られたお方の接待などあの娘達にさせるのは酷かと」
「だから振ってないってー!あ、そうだ僕がいない間に新しく入った子とかいないの?その子なら別に」
「往生際悪いんだよ、淫獣が!!」

と、鬼灯渾身のチョップが白澤の頭に入る。

「痛ぁ」
「別に出入り禁止なのは妓楼だけなんですから、他の健全な店で遊べばいいでしょう?」
「えぇー?無理ぃ」
「無理じゃない!」

諦めたらそこで試合終了です!
と、鬼灯が珍しくジブリ以外のネタを引用すると白澤が意味が解らないと突っ込みを入れた。
妲己とリリスはそれを見詰めながら可愛い人達だと微笑む、彼女達は知っている、白澤が鬼灯を好きになってから“そういう”女遊びをしなくなったことを、鬼灯は知らないけれど花街の女の常識だ。
リリスは鬼灯から自分を紹介された時の白澤の様子を思い出す、一瞬で彼の心境を悟りアイコンタクトで相談に乗ると伝えた。
あの後、ベッドで男を誘惑する為のあれこれを教えてやったのが懐かしいが、結局白澤は実践したのだろうか?今度うかがってみよう。

「白澤様は見た目普通の人間だから擬態薬は必要ありませんね」
「え?」

キョトンと首を傾げる白澤にリリスもキョトンと首を傾げて返す。

「鬼灯様と白澤様、現世へ新婚旅行に行かれるのでしょ?」
「……」

次の瞬間、絶叫が衆合地獄の一画にこだました。
それに、うるさいと鬼灯の鉄拳が入り気絶した為に白澤は否定する機会を失ったのだった。




* * *





回想が終わり、白澤だけがどっぷり疲れたように呟く。

「あの後リリスちゃん達だけじゃなくて、みんな僕らをバカップルのように言うから地獄に行きづらいよ」
「私もすっかり有名人になってしまっていましたね」
「それはマジでごめん」
「いえ、別に気にしてませんけど」

元々日本地獄の礎を築いた第一人者(の補佐官)として名の知れ渡っていた鬼灯だったが、森羅万象の知識を有する白澤がその鬼の後を追い永眠(といえば語弊がある)することで更に有名になってしまったらしい、しかも“種族の差を越え真実の愛を貫いた鬼神”という超恥ずかしいキャッチコピー付きで勝手に二人の追悼ドキュメント映画なんかも作られたそうだ。

(それは少し観てみたい気もしますが……コイツは大丈夫だったんだろうか)

確かに白澤がいなくなることは大事で、鬼灯の死後そうすると公表したとき日本地獄だけではなく世界中の地獄天国、特に中国インドでは大騒ぎだったという、批難も反対も沢山されただろう……出来る事ならその場にいて白澤を支えてやりたかった。

「まぁ大丈夫だよ、お前が地獄に帰るの当分先なんだし」
「当分って、あの世の人たちにとっては十年などあっという間ですよ」

博士号を取るまでは現世にいるつもりの鬼灯と違い白澤は鬼灯の復学準備が終わったら桃源郷へ帰ってしまう、棺と骨を持っていってくれるのは有り難いが、どうせ店は桃太郎が継いでいるのだから、もう少し此方に居れば良いのに……私のいない地獄に行き辛いというなら。
鬼灯がそんなことを思っている内に白澤も骨を全て磨き終え、綺麗に拭きあげた棺の中へ頭蓋骨以外を人骨の形で納めていく、漆喰の蓋を閉めると金で描かれた逆さ鬼灯の紋が煌めく。

「その骨はどうするつもりですか?」
「ん、大事にするよ……」

初めて愛した人の体だから――そんなことは言えないけれど、大事なものだということは伝わってほしいと白澤は静かに笑った。
それを見た鬼灯は、なんともいえない気持ちになる、元の体が大事にされているのは良いけれど、白澤が有限の命をどこか自分と遠くに置いているように思うからだ。

「よく考えたら貴方と結婚なんてしたくないですね」

そう言いながら、もう一度読みかけの本を開いた鬼灯。
ちらりと見えた白澤の表情は真白だった。

「今は、ですよ」
「え?」

入院中に病院の売店で暇つぶしで買った本は、もう読み飽きてしまっている。
ただ桃の香りのする栞を挟んでいたから、その匂いが染み着いてしまっていて捨てられないのだ。

「貴方が心底惚れているのは私の魂でしょう?」
「は?なに言って……」
「貴方の愛してやまない私の魂は六道を永遠に巡ります」
「……」

鬼灯が何を言わんとしているのか、だいたい察しがついてしまった白澤は黙って彼の言葉を待つ。
心底惚れてるだの愛してやまないだの随分自意識過剰だが、否定すると墓穴を掘りそうなのでそこはスルーだ。

「鬼の骨肉には限界があると今回の件で思い知らされましたが、鬼だった私の魂は生きています」

かつてより繊細になった指でページをめくりながら、鬼灯が語り。
白澤は頭蓋骨を床に置いて立ち上がった。

「貴方が未亡人と言われるのも癪なので今は結婚しなくてもいいのですが」

パシン音を立て本が閉じられる。

「いつか私が貴方のような無限の存在になった時は覚悟しとけ」

白澤は足が勝手に動いた。
鬼灯は本を放り投げた。

――ああ、確かに結婚は一生分しか約束してくれない

「貴方はそれまで私の魂と共にいればいい」

そんな時が永遠に訪れなくても構わない、姿が変っても白澤は見つけ出してくれるから――

「ば、馬ッ鹿じゃないの?お前そんなんで僕が絆されるとでも」
「台詞と行動が会ってませんよ……」

飛び付いてきた白澤をなんなく受け止め、二人でソファーに沈む。
この神獣は気付いているんだろうか、鬼灯が引っ越した理由だとか、新しく買った家具が独り暮らしにしては大き目だとか、そんなこと。

「白澤さん」
「ん?」

己の首筋に顔を埋める白澤の髪を撫でながら、その体温に安堵する。
生きた動物のぬくもり、彼が棺の中で求めたのはそれだったのかもしれない。

「傍にいてくれませんか?」

どうしてくれる。
今はもう、肌に感じる吐息も、肌の奥にある骨の髄まで自分一人のものにしたい。
こんな風にしておいて離れてしまうなんて酷ではないか……

「それは?どういう意味?」
「うちに来いって言ってるんです」

解かっていて聞いているんだと思うと憎たらしい、本当に憎たらしい。
あの時から自分がどれだけ愛しいと思いしったか、解かっていないだろう。

「返事は“はい”か“YES”しか認めませんよ」
「そうか、だったら答えは“是”だよ?」

そう言って白澤が顔を上げたから彼の憎たらしい笑みが見えてしまう。
ただ普段は隠れて見えない額の目から鬼灯へ対する愛情が溢れて伝わってくる。

「あ、味噌汁は毎日僕に作らせろよ」
「……いくら私でも現世で脳味噌汁作るわけないだろが」

しかし、毎日味噌汁を作らせて欲しいというのは魅力的に聞こえる。
可愛い台詞だと本人が自覚していなさそうなところがまた可愛いと思った。

「それじゃあ、これから宜しくね」
「ええ」

では、手始めに愛を確かめ合いましょうか?久しぶりだから上手く出来るか解からないですけど……と、言いながら鬼灯が白澤の後頭部に手を回した。

その時だった。


「鬼灯様とスケコマシがいちゃついてる」
「夫婦だ夫婦」

「!!?」

天井の方から聴き慣れた声が聞こえ、思わず白澤を床へ落とす。

「痛ッ!」
「……なにやってんですか?貴方達」

座敷童子だ座敷童子。
棲みついた家を繁栄させたり見た者を幸福にしたりする代わりに悪戯好きで家主が気に入らなくなると家を出て行きその家を衰退させてしまう妖怪だ。
鬼灯が地獄で閻魔大王の第一補佐官をしていた時に可愛がっていた二人が何故かこのタイミングでこの家の中にいる。

「貴方達まで此方へ来てしまうと閻魔殿が衰退してしまうでしょ」
「……ちょ、厳しいこと言うなよ、この子達だってお前がいなくて寂しかったんだろうよ……代わりに僕が閻魔殿に行って吉兆振りまいてこようか?」

良い雰囲気を思いきり邪魔をされたにも関わらず一子と二子を甘やかすようなことを言う白澤に鬼灯は舌打ちを打つ。
以前よりずっと鬼灯へ素直に愛情を示すようになったというのに女と子供と病人には優しいのは相変わらずだった。
そういう鬼灯も現世まで自分を追いかけてきた座敷童子を可愛いと思わないわけでもないので、天井へ向かって「降りてきなさい」と声をかける。

「「はーーーい」」

ぽすん、ぽすんと鬼灯の両脇に着地した二人がソファーから落ちないように素早く膝の上に抱えた。

「久しぶり……でもないですね、このあいだ地獄で逢いましたし」
「うん、このあいだは久しぶりだったけど」

大きな四つの黒目に見上げられ、ほんのすこし鬼灯の雰囲気が柔らくなったのに気付き白澤は頬を緩めた。
厳しい顔も怒った顔も先程のような雄を匂わせる顔も好きだが、実は鬼灯のこういう顔が一番好きかも知れない。

「……で?本当に閻魔殿から此方へ引っ越してきたのですか?」
「ううん、それはしない」
「閻魔大王イイヒト、私たち気に入ってる」
「ただ遊びに来ただけ」

それは一安心だと鬼灯は息を吐く。

「此処の庭は地獄と繋がってるから遊びに来やすい」
「これからもたまに来る」

地獄と繋がる洞は物理的には埋められている筈なのだが、そんなもの妖怪には関係なかったようだ。
これはひょっとして、これからこのアパートに地獄からのお客さんが沢山くるというフラグか!!

「一子ちゃん二子ちゃん、それじゃあさ今度はお香ちゃんとか妲己ちゃんとかミキマキちゃんとか、あと桃タロー君や兎さん達も連れてきてよ」
「桃太郎さんと兎さんってとこが妙にリアル!!」

鬼灯は白澤に拳骨をお見舞いした。
ホモサピエンス擬態薬を飲んでいるとはいえ普通の人間より力は強かった。

「うう、酷い……聞いてよ骨灯、アイツ二十年以上人間やってた癖に暴力的なとこ全然治ってない……」

と、先程まで自分が座っていたところまで這って行き、鬼灯(前世)の頭蓋骨(骨灯)に泣きつく白澤、その頭蓋骨の主にも散々殴られてきたことを忘れているのだろうかと呆れてしまう。

「とりあえず、引越し蕎麦作りますから、手伝って下さい白澤さん」
「はいはい」

ソファーから立ち上がって椅子に掛けてある黒と白のエプロンを取って白い方を白澤に投げ渡した。
数歩歩いただけで前のアパートより広くなった台所に着く。
そこに鬼灯と白澤は並んで立ち、その足元にへばりつく様に一子と二子が立った。

「今度は君達もエプロン持っておいで料理教えてあげるから……っていうか後で一緒に買いに行こうか」
「貴方お金持ってるんですか?」
「……」


黙り込んでしまう神獣に呆れながら、一緒に住む以上コイツに分相応な金銭感覚というものを身に付けさせようと決意するのだった。


まぁ座敷童子には可愛いエプロンをちゃんと買ってあげるのだけど――






END