それは白澤が何度目か解らない告白をしようと意気込んで鬼灯の執務室へ薬を届けにきた時のことだった。



「いつまでも居られたら目障りです。薬置いたらさっさと帰ってください」



意気込んではきたものの忙しげな鬼灯を前に想いを伝えることが憚られた。

白澤も伊達に長年鬼灯を見てきたわけじゃない、この書類の山をひとつ崩せば彼は一度背伸びをしてお茶を一口飲むことくらい解っている。

白澤は鬼灯の書類が今終わるというタイミングで新しいお茶を注ぎ、背伸びが終わった頃を見計らって彼好みの温度のお茶を差し出した。

それをしっかり飲み干した後に言われた台詞が上記のものである。


「……」


告白をする前から気持ちが挫かれた。

ショックを受ける白澤をよそに鬼灯は仕事を再開させていた。

書類がもうひと山崩れるまで待つ時間は白澤にもないのだ。

彼は無言で退室すると、スタスタと早足で閻魔殿の廊下を歩く。

常とは違う不穏なオーラを放つ白澤に話し掛けられる者は誰もいない、いや茄子がいれば話し掛けられたかもしれないが彼は今外回りの最中だ。


(なんだよ!!あの鬼!!)


閻魔殿を出てからは空を飛び誰にも会わずに桃源郷へ戻った白澤。

澄み渡る快晴とは裏腹にその心は大荒れの荒れ模様だった。


もうイヤだ

あんな奴を好きでいるのに疲れた

お前への恋なんで止めてやる

お前への特別扱いなんてやめてやる


と、人型に変化した白澤はドカドカ大股で歩く。


「桃タローくん!お願いがあるんだけど!!!」

「おかえりなさい、お疲れ様です。お茶を淹れますので手洗いうがいしてきてください」

「うん」


ただいまよりも前に叫んだ白澤に桃太郎は冷静に対処し、落ち着かせる。

頭に血の上っている時の師匠は何を言い出すかわからないのだ。


「で?お願いってなんですか?」

「ん?」

お手製の桃生姜茶をゆっくり味わい、先程までの苛々の解消している白澤に桃太郎は訊ねた。


「あのね、一ヶ月くらいこのお店を君に任せたいんだ」

「へ?また帰省されるんですか?」


桃太郎は目をぱちくりさせながら訊ねた。

遊び人で有名な白澤だが桃源郷の管理を任されてから私用で長期間外出をしたことはないらしいと地獄の古株に聞いたことがある、月単位の外泊ならばこの神獣に桃源郷の管理を任せた中華天国の上位にいる神々の命令だろう、それも此処で店を続けていく為に必要なことだと理解している桃太郎は快く承諾しようと思う。

元来自由奔放な生活をしていた白澤が桃源郷の管理など不自由な仕事を引き受けたのは怪我や病気の多い地獄の近くに漢方薬局を構えたかったからだと以前酔っ払った際に語っていたのを思い出し、普段は忘れている師匠への敬意をも思い出した。


「いや、ちょっと此処でやりたいことがあって……まだ桃タロー君がひとりで作れない薬とかは僕が作るから……」

「ああ、ではまた学会の発表の準備をされるんですね」


数年前にもそのように言って部屋に籠もったことがある、しかしそれにしては言葉がたどたどしいなと思っていると、白澤は首を振ってから申し訳なさそうに切り出した。



「ううん、今回は完全に私用で……」


そこから白澤が語りだした構想に桃太郎はあんぐりと開いた口が塞がらなくなった。




* * *




一週間後。

桃源郷の端、地獄と天国を繋ぐ扉のすぐ近くに建つ神獣白澤の住居兼店舗【極楽満月】その横に遊牧民が使うようなゲル(白澤はパオと呼んでいた)がドーンと置かれていた。

入口の上には【家族風呂・極楽の湯】と【桃源郷カフェ】の二つの看板が掛かっている。


家族風呂とはお金を払えば一定時間貸し切れる小さな浴場のこと、カフェとは軽食もとれる茶屋のことだと桃太郎は認識していた。


「いい気分転換になるんじゃないですか?」


家族風呂とカフェをやりたいと白澤に言われた時、桃太郎は少し迷ったが結局は首を立てに振った。

師匠に対し甘過ぎる気もしたが自分と違って数千年は同じ場所で同じ仕事を続けているのだから、たまには違うことをしないと飽きるだろう、仕事がイヤになってある日突然店を畳まれたり、一ヶ月遊び回られるよりずっと良い。

いつか独り立ちし店を切り盛りする為の予行練習だと一ヶ月間の店番を引き受けたのだった。


かくして始まった家族風呂とカフェだが、初日から盛況していた。

カフェには瑞獣仲間である鳳凰、麒麟と元教え子の兎が何羽か手伝いに来てくれている、普段見る事のない白澤以外の神獣と小さな体で働く健気な兎達に客人達はうっとりだ。

家族風呂はカフェの会計でお金を払い奥へ通じる廊下を渡れば行ける、一部屋ワンコインで一時間入浴可能、定員は無いが浴槽の大きさを見れば五人までしか入れないだろう。

源泉掛け流しの温泉は朝とカフェの休憩時間に皆で掃除するだけで清潔を保たれているし、そもそも天国は水垢やカビといった菌が繁殖しにくい場所だった。

備品として白澤特性のシャンプー・リンス・トリートメント・石鹸・化粧水など非売品が置かれている為、明日にはその評判を聞きつけ天国地獄の美女たちが集まってくるに違いないと白澤は内心ほくそ笑む。

桃太郎から「白澤様の経営するお風呂なんて覗きが怖くて誰も来てくれないんじゃないですか?」と不安になる冗談を言われたが、それも杞憂に終わった。

軽薄で好色だが浮気以外で女性のイヤがることは絶対にしない、浮気以外ならそこいらの男よりはよっぽど信用出来る、本当に浮気さえしなければどれだけ良いか、と皆は口々に言うのだ。

そもそも浮気というのは本気の相手がいる時に適応される言葉なので白澤に使ってよいのかは解らないけれど、とにかく女性に対し紳士的で優しく浮気する以外は誠実な白澤が覗くなど思うる女性はいない。

しかもそんな浮気性も鬼灯への恋心を自覚してからはすっかり鳴りを潜めていた為、一途に恋する白澤様かわいい!と元白澤派(現鬼白派)からは絶大な人気を誇っている、本人の知らないうちに。


「いらっしゃ〜い」


エプロンをつけた白澤がカウンターの中から微笑んで出迎える。

兎が水と注文票を渡す、注文は直接カウンターの中にいる白澤に告げると数分後に鳳凰が注文の品を運んでくる。

会計は麒麟、彼に温泉に入りたいと言うと【入浴中】の札を渡される、これを扉の外に掛けろということだ。

カフェだけでもいい温泉だけでもいい、ただ温泉に入った後に彼の手料理を食べれるなんて最高だと白澤派たちは思う。


ところで、聞いていないことが一つあった。


「白澤様は何故カフェと温泉をしようと思ったんですの?」


そう、それだ。

客の一人が中国茶を淹れている白澤にその理由を訊ねると彼は一瞬だけ苦い表情をしたあと笑って説明しだした。


「閻魔大王の第一補佐官っているじゃん」

「え?……ええ、いらっしゃいますわね……」


貴方が好きで好きで猛アタックしてる方ですわとは心の中で思ったけれど言わない。


「アイツへの特別扱いをやめようと思うんだ」

「はあ」


いまいち理解できない応えだった。

と、その時。


「お邪魔します」


扉を静かにあけ件の鬼が入店してきた。

よかった、もしあの鬼が来て扉を壊されたら店全体もつぶれるんじゃないかと思って怖かったのだ。


「いらっしゃい、薬だったら極楽満月の方に……」

「いえ、今日はこちらに」


鬼灯の姿を見て一瞬ビクリと震えた白澤だったがすぐ平常心になりカウンターの中から声をかける。


「温泉があると聞いて」

「…………え?」


白澤は茶の注がれた茶器を持ったまま鬼を凝視した。

その茶器をスッと受け取り客まで運ぶ鳳凰は流石だ。


「入るの?うちの風呂と成分変わんないよ?お前地獄の温泉の方がいいって言ってなかったっけ?」


神獣の言葉にざわざわと客達がざわめきだす。

そんな言葉が無意識に出てくるということは鬼灯ならば白澤の家の風呂に入りたい放題だったのだろう。


(もしかして)


特別扱いをやめようとはこのことか?

今まで内弟子や付き合った娘そして鬼灯しか使うことの出来なかった白澤の持つ温泉を誰でも使えるようにしたのか?

カフェは白澤の手料理を誰でも食べれるようにする為のものか?

流石にタダで大勢に料理を振る舞うほどの財力はないから金を取るが、原価とそう変わらない値段で提供しているのはそのせいか?


「温泉が大したこと無かったらぼったくりの店として潰そうと思いまして」

「酷ッ!!温泉の成分も設備も窓の景色も極上のものだよ!!うちは!!」


その言葉にうんうん、と温泉に入った後の客達は頷く、地獄の温泉もいいが桃源郷の景色を見ながら入れる此処の温泉はまさに極楽の湯だった。


「まぁいいや、一時間五百円ね」


一見割高のように感じるが貸切だと思えば安い、しかも極楽満月と同様に日本円で支払い可能なんて有り難いじゃないか、と苦笑しながら二人を見守っていると鬼灯は麒麟に五百円を渡し、スタスタと奥へとはいって行った。


「なんなのアイツ失礼な」


ぶつくさ言いながら頬が桃色に染まっているのを隠せていない白澤を店の客は本当に鬼灯様が好きなんだなと微笑ましく見守っていた。


一時間後。


「思いの外よい湯だったのでつい長湯してしまいました」

「だからって髪ちゃんと乾かさないで出てくるのやめろよ!!」

「だって延長料金とるでしょ」

「髪乾かす時間くらい延びても別に……ああ、もういい!!ちょっと待ってろ!!」


怒鳴った白澤は水も滴るいい男状態の鬼灯を椅子に座らせ、ぴゅーっと店の外に走って行ったかと思うとすぐぴゅーっと戻ってきた。

手にふわっふわのタオルを持って。


(おいおい)


他の客達が呆れているのにも気付かず白澤は鬼灯の後ろへ回った。

身体が冷えてしまわないようにと尻尾だけ変化を解いて鬼灯の膝にかけてやる。


「まったく、何のために脱衣場に高級なイオンドライヤー置いてるのか解らないよ」

「……シャンプー類といい……備品を持ち帰られても知りませんよ」

「ちょっとウチのお客さん疑ってんの?いくらお前でも許さないよ?」


なんて口調は乱暴だがその手は優しく鬼灯の髪を拭いているし、鬼灯も白澤の尻尾を撫ぜながらされるがままだった。

その間ほかの客はほったらかしだったが誰も怖くて文句が言えずにいる。


「あらかた乾いたね」

「どうも」


軽く会釈する鬼灯に優しく微笑むと白澤はタオルを窓際の木にかけ、自分はカウンター内に戻り手洗いを始めた。


「すみません注文票ください」


と、兎の店員に声をかける鬼に驚いた表情を向ける。


「お前、食べてくの?」


僕の作った料理に金出すの?


「全然量足りないよ?」


そう言う事で今まで鬼灯はこの優しいお袋の味のような料理をタダで大量摂取できていたんだろうなぁと、客達は羨ましく感じた。


「小腹を満たしたいだけなので、それと大したこと無かったらぼったくり店として潰さなきゃいけませんから」

「なんで地獄の鬼が天国の店のぼったくりを取り締まるんだよっていうかぼったくりじゃないし」


またもや客達はうんうんと頷く、これだけ安くて旨い料理は他ではちょっとお目にかかれない、本当に一ヶ月限定の店なのが惜しいくらいだ。


「うるさいですね……あ、すみません」


神獣を睨んでいた目を和らげると注文票を持ってきた兎に礼を述べる、それを見て神獣は拗ねたように食器を洗いだした。

薬局に客として来た時に見る彼はのんびり接客していることが多いので、こうして働いているところを見るのは新鮮だ。

きっと、極楽満月の裏でもせわしく働いているんだろう、本来ならば姿を見ることも稀な筈の瑞獣達が自分たち庶民の為に手を濡らし、立ち回っているのが見られるのは、とても贅沢に感じる。


「この“ことこと煮込んだ豚カレー”ください」


まぁ地獄の高級官吏が普通に注文している姿というのも貴重といえば貴重だ。


「カレー?いや、うちのカレー結構辛いよ?」

「構いません、今はカレーの気分なんです」

「他の……ほら、中華丼とかおすすめ」

「カレーがいいです」


どうでもいいが、カレーはともかくカフェのメニューに中華丼があるなんて……。


「もう、わかったよ」


と、白澤は溜息をついて手を拭くと大鍋に入ったカレーを小鍋に取る、普通ならこれを皿に盛ったライスの上にかけるだけという待ち時間の少ない料理の筈だ。

白澤はそれを火にかけながら蜂蜜、林檎、ヨーグルト、などを加え、味見しながら少しずつ激辛カレーを中和していく。


「これくらいでいいか」


そう呟き、火を止めると木でできた皿にサラダとスープを盛り、白い皿にライスを盛った。

カレーをかけ福神漬けを添えた後、全てお盆に乗せカウンターから鬼灯の元へ運ぶ、給仕は鳳凰の仕事だが自然とそうしてしまったのだろう。


「はい、召し上がれ」


鬼灯の前に置かれた大盛りのカレーを見て客達は一斉に思った。


(これを特別扱いと言わず何と言う!?)


お盆を胸に抱えどこか不安げに咀嚼する鬼を見詰める神獣はどこまで自分のことを客観視できない生物なのだろうか、麒麟・鳳凰・兎の店員達はそんな白澤には慣れっこなのか華麗にスルーを決め込んでいる。


「まあまあですね」


と、鬼灯が言えば白澤の顔がパアアっと華やいだが、すぐに元の不機嫌そうな表情に戻した。

結局、鬼灯が完食するまで傍にいて、食器を下げ、会計後の彼をお見送りするかの如く入口まで着いて歩いた。

これが特別扱いでないならなんなのだろう。


「あ、そうだ……」

「へ?」


ボッコーン!


何かを思い出したように振り返った鬼灯が白澤を殴り数十メートル先の木の幹に激突させた。


「ッ痛ぇ!!なにすんだよ!!」

「そういえば今日はまだ殴ってなかったなぁと」


とケロリ言ってのける地獄の鬼を流石に酷いと白澤派の客達は思った。


「なんだよそれーー!!」


そう叫びながら泥だらけで走って戻ってくる。


「ハァハァ……お前ほんっとヒドい」


白澤は鬼灯を睨み上げながら息も絶え絶えに訴える。


「こないだだって……ゼェゼェ……僕のっ……掘っただろ?ハァハァ……尻ッ……痛かったんだからなぁ」

「だから責任とるって言ったでしょ?」


場の空気が固まる。

白澤が言いたかったのは「こないだだってお前僕の庭に落とし穴掘っただろ?落ちた時にお尻打って痛かったんだからなぁ」だが、息切れしながらなので周りに誤解を与えてしまった。

鬼灯もそんなこと気付かず「はいはい、責任とって穴を塞ぎますよ、他の方が落ちたら大変ですし」と先日言ったことを確認しただけだった。


「もういい、お前帰れ」

「……」


白澤が追い払うように言うと鬼灯は眉を顰めて彼を足から頭まで見回す。


「貴方こんな汚れた姿で厨房に入るつもりですか?」

「はぁ!?お前が汚したんだろ!!」

「……チッ仕方ありませんね、他の方に迷惑をかけるのは本意ではありませんから」


そう言って鬼灯は白澤の手を取ると、店の中へ戻りずんずんとその奥へ進んでいく。


「ちょ!どこ連れてくんだよ」

「は?貴方がうるさいから責任とって隅々まで洗ってあげるんでしょ?」

「いいから!お前もう仕事戻れ!!」

「残念でした今日は休日です」

「いつも休めって言っても休まないくせにーー!!」


鬼灯は一番手前にある浴場に白澤と一緒に消えて行ったが、いかんせん二人の声が大きいのかギャーギャーと喧嘩する声が聞こえる。

そしてその声は数十分後全身くまなく洗われた白澤が帰ってくるまで聞こえていた。

勿論その間ほかの客達は放置であったが、皆ことの成り行きを見守りたくて誰も店から帰っていない。


「この馬鹿鬼!もうお前とは離婚だ!!」

「結婚してないですが」

「そうだった!!」


……夫婦漫才には聞こえる。




* * *




「って感じのことがこの一月で四回くらいあってさ、もう飲食店も温泉もこりごりだよ」

「はぁ」


一ヶ月後。


ようやくゆっくりと晩酌の時間がとれた桃源郷の師弟は互いにこの一ヶ月のことを報告し合っていた。

同じ家で暮らしていてもこの一月は二人とも疲れモードであまり会話が出来なかったので、こうして白澤の店のことを聞くのは初めてだ。


「へ、へぇ……大変でしたね」

「そうそう……まぁ作戦は概ね成功だったと思うけど」


白澤の作戦は『鬼灯を特別扱いするのやめてやる!』というものだったが、今の話を聞いてどこが成功してんだか桃太郎には理解できなかった。


「でさ、次の作戦なんだけどね」

「え?またやるんですか?」

「うん、まあ今回みたいな疲れる作戦は立てないから安心して」

「はぁ」


なにをやっても逆効果にしかならないだろうと思いつつ桃太郎は白澤の話を聞いた。


「男友達作ろうと思うんだ」

「へ?」


なにを言い出すかと思えば、男友達とな?


「ていうか、一緒に薬学のこととか政治のこととか話せる相手を作ろうと思って、男友達って呼べそうな子はいるけど桃タロー君は弟子だし茄子君は芸術仲間って感じだし」

「俺からすれば手のかかる子どもみたいですよ白澤様」

「ひどいなあ」


ちなみに麒麟と鳳凰は友達ではなく同士だと思っている。


「誰がいいかな、今度のお休みの時にちょっと友達になってくれそうな子に声かけてみようと思うんだけど」

「まぁ……白澤様ならすぐ友達できそうな気がしますけど」


ただ先程言った酒が飲めて薬学や政治の話が出来るを条件に男友達を探そうとすれば、鼠の婿取り話のように巡り巡って鬼灯が一番合っているという結論に行きつくだろう、どうせ。


「神農は家遠いし……一寸くんや小野篁くんとかはあんまり休みがとれないし、やっぱりニニギさんかな」

「あの人も結構忙しいと思いますけど」


田植えから収穫までの間は特に忙しい稲穂の神だった気がする。

というかもっと多忙な鬼灯の恋人になろうとしていた癖に今更なにを言っているんだこの神獣。


「でも彼って賢いし誰にでも優しいけど安全圏だし、一緒にいると女の子が寄ってくると思うんだ」

「友達ってそんな打算的に選ぶものですか?」


ちなみに白澤が言う安全圏とは「女の子を取られる心配がない」という意味だ。


「いいじゃない、そうやって始まる友情もありだよ!よし!今度の休みに天照様の所に行って紹介してもらえるよう頼んでみる!」

「まあ白澤様がそれでいいなら俺はこれ以上なにも言いませんが」


凄くさらっと日本最高神の名前が出たが、まあ白澤のことだから彼女とも交流があっておかしくない。


(どうせ鬼灯さんから全力で邪魔させるだろうけど、女遊びに夢中になるよりは健全か)



寂しがりな白澤に男友達が増えるのは自分にとっても喜ばしいことだと、親のような気持ちになりながら白澤に微笑みかけた桃太郎でありましたとさ。



めでたしめでたし?















END






なんだこの終わり方は……


はい、最後までお読み頂きありがとうございました


ただ私がお風呂屋さんな白澤さんとカフェさんな白澤さんが見たかったという欲にまみれた業深い話です(笑)

ちなみに何故ニニギさんが出てきたかと言うと私がニニギさん好きだからに他なりません

原作でもっと出て来てくれないかなって思います