春の日長に
里に戻ったサスケ+ヒナタの任務のお話。サラダもいます。
基本的に忍者は裁縫が上手い。
諜報活動で様々な年代の様々な職種に変装しなければならないのでアカデミーでは初歩的な家事を教えたり下忍の任務でも即戦力となれるよう職業訓練などが行われる。
また常に新しい情報を扱う忍たちは各年代のファッションの流行や文化にも精通していなければならない。
刃物や薬品を使うことが多いため手先が器用かつ慎重で忍耐力も勿論ある、実力がモノを言う世界で生き残る為には勤勉で努力家でなくてはいけないし、裏の裏を読む頭の回転が早く教養も備わっている。
つまり忍というだけで日常生活スキルの平均値は一般人よりも高いのだ。

ファッション等に興味が薄いヒナタはその日、友人のうちは家でファッション誌を読んでいた。
なんでも潜入任務の為に百貨店で勤めなくてはならず、接客はしないのだが他の店員と話を合わせるため流行と最低限のファッション用語を勉強したいと言うのだ。

「こういう仕事はハナビの方が向いてると思うんだけどなぁ」

サクラといのは長期で任務に出ていて、テンテンは店が繁忙期だとかで任務を入れていない、だからヒナタにお株が回ってきたのだが……。

「復帰任務だからあまり難易度の高くないものを選んだんだろうな」
「それはわかってるんだけど」

高くはないと言ってもBランク任務だ。
ボルトが下忍として働き始め、ヒマワリが白眼修得のため日向家に通うようになったので(祖父のヒアシから指導を受けているというが、修行面では厳しい彼のことを嫌いになっていないか心配だ)時間の空いたヒナタは育児のためにとっていた休暇を予定よりも早く切り上げた。
いまだにナルトを目標にしているので忍として己の腕を磨きたい、そういうヒナタが好ましいのかボルトも「よし!どっちが早く父ちゃんを倒せるか競争だ!」と応援してくれている、それを聞いたナルトの気持ちは複雑だったろうとサスケは頬を緩めた。

「コーヒー、砂糖とミルクは好みで入れろ」
「あ、ありがとう!」

サスケはヒナタの座るソファーの前のテーブルに二人分のコーヒーと砂糖とミルクを置く、いつもサクラが淹れてくれるのを見よう見まねでしてみたのだが分量を間違えていないので不味くはなっていないだろう。

「お前にはこれ」
「わ、ココアだ!パパこれ何処にあったの?」
「それは言えない」
「えー?パパとママの内緒なの?」

ヒナタの横で一緒になって雑誌を読んでいたサラダの前にココアの入ったカップを置けばキラキラしい眼差しを送られる、食べ過ぎ飲み過ぎは体に毒だからと菓子類と一緒に家の何処かに隠されていたモノだがサスケはその在処を知っていたらしい。

「サクラの性格を考えれば解るような所なんだが……見付けられないのか?」
「……いいよ!教えなくても!いつか自力で見付けるから!!」
「ふふっ……」

得意気に話すサスケとムキになるサラダの会話にヒナタは笑みを溢して「いただきます」とコーヒーに口を付けた。
優しい苦味が口一杯に広がりホッとした気持ちにさせられるが、サスケの方は眉間に皺を寄せていた(おおかたいつもサクラが淹れてくれる味と違うとでも思っているのだろう)

「美味しいよサスケくん」
「……」
「ところで今度の任務なんだけどね」

困った顔をされたので話を変えるヒナタに、サスケも気持ちを切り替えたようだ。

「最近デパートで頻発している子どもの誘拐事件の犯人探しか……白眼が活かせるな」
「ええ、犯人を発見したらアジトまで尾行して報告するまでが私の任務だよ、あとはサスケくんに任せるね」
「子どもに危害が及ぶようならそちらの救助を優先するが、出来れば泳がせて人身売買のルートを突き止めたい、念のため暫く同行してもらえるか?」
「うん、役に立てると思うよ」
「お前の任務でも俺が使えるときは言ってくれ」

サスケの任務にヒナタが協力する代わりにヒナタの任務にはサスケが協力すると言う、直前の「役に立つ」に対し「使える」という言葉を用いたのは意趣返しだ。
忍は駒だが役に立つと言われると同等でないように感じてしまい、仲間を大事にと教えられてきたサスケにしたらあまり気分が良いものではない。

「いっそ俺が子どもに変化して囮になるのもいいかもな」

そうしたら他の子を危険に合わせないし、その方が良いかもしれないとサスケは言う。
容姿端麗なサスケの幼少期は写輪眼なしにしても高く売れそうだと本人的にはあまり嬉しくない評価を受けていたのを思い出す。
それはヒナタも同様で、白眼目当てで誘拐したとしても白眼を抜かれた後どこに売り飛ばされていたかわからない。
大筒木の血を引くと解った今なら実験や解剖をされる可能性の方が高いか、里の為とはいえ大蛇丸と似たようなことをすると安易に想像できる忍界はまだまだ倫理観に乏しい、時期火影を目指すサラダが大人になるまでに少しでも変えていかなければ。

「それならサスケくんが売買ルートに乗るまで私が監視を続けて……上手くやれば親玉を突き止めるまでいけるかも」
「そうしたら任務内容と報酬が変わってくると思うが」

二つの任務を二人で行うより一つにまとめた方がよいだろう、サスケ側のランクが一つ下がりヒナタ側のランクが一つ下がり、報酬はさほど変わらない、依頼主は同一なので交渉すれば可能だろう。

「パパ、ボルトんちのママ、私の前で作戦会議なんてしてていいの?」

サラダに言われてヒナタはハッとするが、サスケはわざわざサラダの方に向き直ってその額を撫で柔らかく微笑んだ。

「サクラには内緒な?」
「……うん」
(サスケくん凄いなー……)

昔のように尖ったところのないサスケは思慮深い落ち着いた男になっていた。
愛の一族の生き残りである彼は友に優しい、部下に優しい、心に傷を負った者に優しい、そして家族には特に優しい、ナルトがサスケの根っこは自分にそっくりだったと言っていたのを実感するのはこんな時だ。
なんとなくカカシをクールにしたらこんな男になるような気がすると言えばサクラはサスケの方が良い男だと怒るだろうか。

(お父さんこんなだしサラダちゃん同じチームにミツキくんもいるし相当美形じゃないと格好いいと思ってもらえないかも、うーんボルトもナルトくんに似てるから私は格好いいと思うんだけどな……)

友達の男の子も皆、母親に似て綺麗な者ばかり、アカデミー担任のシノも目は隠れているがスラッとした男前で、上忍師の木ノ葉丸も精悍な顔をしている、サラダの周りの顔面偏差値が高すぎて彼女に恋した男は苦労しそうだと勝手に同情するのだった。

はたして任務当日、子ども姿に変化したサスケを見てヒナタは目を丸くする、二人は里でも有名人なのでヒナタも変装をして別人になっているのだが(服装やメイクは紅に相談して決めた)サスケはすぐにヒナタに気付いた。
顔立ちは幼い頃のサスケだけれど薄紅色の髪に若葉色の瞳をしている、自分の持たない髪色瞳色に変化するのは実は難しく、術者が深く記憶していないと出せないものだ。
視力の優れたヒナタから見ても見事なまでにサクラ色をした子ども、ヒナタは堪らない気持ちになる、任務には守秘義務があるがこの事だけは絶対サクラに教えてあげよう。

その子の名前は『シュンヤ』
サスケが考えた偽名だ。
妻の旧姓の春野を音読みにしたものだと解ったが、ヒナタは以前使った暗号を思い出した。

“瞬夜”
“瞬く間に終える夜”
あれはたしか“恋”を表していて“来い”、“こちらに集合しろ”という意味だった。
考えたのは彼の上忍師で同じ任務に属していたサクラやいのからロマンチックだと揶揄われていた。
『貴方の事を考えているうちに夜が明けてしまった』
『早く明日がくればいいのに、そしたら貴方に会えるのに』
ナルトへ恋してから考えていることを反芻して、ひどく納得したのを覚えている、ナルトが火影に就任した今は『貴方と過ごす夜はこんなにも短い』と思う瞬夜。

「じゃあ行こうかシュンヤくん」

そんなことを思い出してかサスケを呼ぶのに少々罪悪感を覚えたが、サスケは気にした様子もなくいつものように頷いた。
頷きを見てふと思ったがサスケのサインは解りやすい、首を振ったり目線をソチラヘ向けたり唇を動かしたり、片腕しかないからか仲間への連携手段にその端正な顔を使う。
真剣な表情、不敵に笑う唇、此方を気遣い安堵を浮かべる瞳、それは彼がこの里で信頼を得るために物凄い効果を発揮しているのではないだろうか、加えて上層部も手を焼いていた火影の子を弟子にとり慕われていると師としての手腕も評価されている。
愛妻家で、家では子どもを可愛がり、妻の友人にコーヒーを淹れてくれる!なんて知ったらきっともっと里の人から認めてもらえる!そう確信したヒナタは今度サスケの話題が出たときに話してみようかと思った。

「ねぇシュンヤくん、シュンヤくんの淹れてくれたコーヒーがとても美味しかったって友達にお話してもいい?」
「は?……別に構わないが、俺よりサクラが淹れた方が……」

了承した後に何やらブツブツ言っているサスケと共に従業員入り口から百貨店に入った。
サスケには暫くバックヤードに身を潜めてもらって、一番人間で混雑している時間帯に一人でうろついてもらう予定だ。
サクラ色のサスケは可愛いし、わざとなのか雰囲気がふわふわしているのできっと誘拐犯も狙うハズだと、自信に思っていいのか解らない自信を持った。
ヒナタが潜入する職場は洋裁道具の店だった。
冒頭で言ったように忍者は裁縫が得意なものも多いから、ちらほらと忍者らしき客もやってくる、だいたい補強や修繕に使う布や糸と変装時に体型を誤魔化せるパットなどを買っていく、ヒナタは時々アドバイスをしていた。
まさか接客しているのが火影の嫁だとは思っていないのか「うちの上司と奥さんの馴れ初めがね、奥さんが赤いマフラーを編んでくれたことらしいんですよ、だから私もマフラー編んで告白しようと思って」「うちの上司の奥さんが裁縫上手で、上司や子どものぬいぐるみを作ったりしてるんだって!私も旦那のぬいぐるみ作ってみようかなって」などなど明らかにヒナタのことを言っているなと感じるナルトの部下達がいた。
顔から火が出る想いでいると先輩から休憩時間だと言い渡される、この先輩はヒナタが潜入中の忍者だと知っていて、フロア全てが見渡せる店頭での仕事を任せてくれている、白眼を使えば建物すべてを把握することも可能だが出来うる限りチャクラは温存したい、忍の勘で怪しげに映る人物は何人かマークしているのでその人達の前でサスケが迷子を演じればよい。

そろそろ作戦開始時間だ。
サスケが動き出したのを確認したヒナタは物陰に隠れ様子を見る、流石サスケ違和感なく一般人の子どもを装っている。

(私はどうだろう、一般人の、しかも子どもの演技ってもっと不自然になっちゃうかも)

日向の者は体術を使う戦忍だから幼い頃から徹底的に体に負担の掛からない足運び、所作を訓練させられる、それはナルトと付き合う前にナルトと絡むときくらいしか崩れなかった。
普段は柔軟な動きをするヒナタがナルトの前でだけはカクカクとぎこちなく歩き、声をかけられる度に無駄なリアクション、無駄な呼吸を繰り返していた事を思いだし、任務が終わったらサスケに付き合ってもらってもう一度あの動きの練習をしてみるかと思う。
そんなことを考えているとサスケ側に異変がみられた。

サスケが中年くらいの女性から話しかけられている、俯いていて口元が見えないので何を言っているか解からないが女性が心配げにサスケの後頭部を見ているのが解かる、が、あの女性はヒナタが目を付けていた人物だ。
女性が何か喋りサスケがそれに頷くと、女性の顔は醜く歪む、ああやはり黒だったか……まさか初日にこんなアッサリ引っかかるとは思わなかった。
サスケが見上げると女性は優しい表情を作り、サスケの手を引いて歩き出す、インフォメーションセンターでもない、遠目からでも二人は親子に見えるので誰も不審がることはない。
ヒナタは制服の上だけ脱いで床の隅に置くと二人を尾行し始めた。

デパートを出て路地裏に入るとサスケが不安げな演技を見せて女性から離れようとする、女性はサスケに手刀を浴びせ気絶させると(微力なチャクラでガードしているように見えたのでおそらく気絶はしていない)隠していたキャリーバッグに詰め込んだ。

(子どもを……あんな……)

ヒナタは眉を顰め女性を追う、辿り着いた先は川沿いにある倉庫だった。
成程、ここに集めた子どもを夜に川を伝って里外に運び出すのか……木ノ葉の里の関所は勿論川にもあるが阿吽の門ほど厳重でもない、ヒナタは式を飛ばしてそこで待機することにした。
その内ナルトが関所に配置する忍びを集めるだろう、ヒナタは犯人が子ども達に危害を加えない限り監視をするだけでいい。
忍びの里で犯罪を犯すなら相手も少しは忍術をかじっている可能性もある、慎重に動かなくてはと木の枝に隠れ気配を完全に消す、暫しの休息だった。

“瞬く間に終える夜”
木漏れ日を浴びる中で、あの合言葉がまた脳裏に浮かんだ。
カカシはそれに"恋"と意味づけたと思っていたが、もしかしたら音が同じだけで“乞い”と言いたかったのかもしれない。
サスケが自分に名付けた"シュンヤ"は彼の好きな薄紅色と若葉色で溢れる“春の野原”だ。
サクラは彼に日和を与えたのだろう、少しでも永く続けと乞い願うような。
自分がナルトから暁の夜明けをもらった様に――
……陽が沈む。
地面に木の影が伸びてゆく……自分の影もその一部なのだろう。
変装はもうとっくに解いている、鏡のような瞳に紅に染まる世界が映る、たとえば虹のように太陽に背を向けているからこそ見えるものがある、太陽に背を向け、太陽に背を預けられたい。

(そうだね、夜を終えよう)

日が落ちるまでの時間、彼女の脳裏に流れたのは先日見たサスケとサラダの風景、そして今は里を離れている彼らの大切なヒト。
思い出した自分の役目、木ノ葉最強を名乗る一族として、ひとりの忍として、なにを持って任務に挑むのかを。

(ありがとうナルトくん)

――ここに戻ってこれて、嬉しい。

世界が暗闇に包まれた瞬間、ヒナタは白眼を発動させた。
倉庫からコンテナが運び出され船に乗せられる、白眼を用いなくとも予測はできたが中身は拘束された子ども達、サスケも中にいる。
周りの子の肩が揺れていて泣いているのだろうと思った。
己も子を持つ身で聞く怯え泣く声はどれほど心痛めるだろう、中でサスケの唇が動いて揺れる肩がピタリと止まる。
サスケが自分の拘束を解いて、周りの子たちの縄も解いてやっている、予め静かにするよう言っておいたのか騒ぐ様子は見られない……いい子達だ。
絶対に助けると心に誓いながらヒナタは音もなく川沿いに植えられた木を伝い船を追った。
船は術の施された黒い布で覆われ周囲から見えなくされている、なるほど術者は木ノ葉に優れた探査能力を持つ忍が大勢いると知らない者か、もしくは侮っているのか、どちらにせよ愚かには違いない。
門を出て暫くしたところでもう一周り大きな船が現れ、黒い服を着た男達がコンテナを運ぶ、ヒナタはもう一度白眼を発動させコンテナ内を見る、子どもたちを自分の後ろに控えさせるサスケが見えた。
ヒナタは地を蹴る、コンテナを移し終えた男達はゆっくりとその扉を開けたのとヒナタが船の上に降り立ったのはほぼ同時だった。

飛び出したサスケがまず扉を開けた二人を沈める、ヒナタが船頭当たりにいた見張り番を一突きし、川に落ちそうになる男を仲間の方へ投げて気絶させた。

「何人だ?」
「この四人を入れて二十五人、他に子どもはいないみたいだよ」
「……二十五か、割り切れないな」
「ナルトくんじゃないんだから……サスケくんはその子たちの傍にいてあげて」
「……」

サスケがヒナタの方を見ると彼女は柔らかく笑んでいた。
柔らかさは彼女にとっての強み、闇の中で白い瞳が月のように光る。

「フッ……任せておけ、船は壊すなよ」
「壊さないよ!……ふふっ了解」

全員生け捕りとの命が出ているし、この船は証拠として押さえておかなければいけない、なにより子ども達に怖い思いをさせてしまう。

(ていうか船壊すなよって……)

もしかしてサスケはサクラと一緒だったら「壊せ」なんて言っていたのだろうか、たしかに人身売買に使われていた忌々しい船ではあるけれど。
そんなことを思いながらヒナタは一人、また一人と気絶させてゆく、勘は少々鈍ったように感じるが、あと数回任務をこなせば元に戻りそうだ。
瞬く間に全員生け捕りにしたヒナタは子どもを閉じ込めていたコンテナの中に押し込めた。

サスケが指笛を吹いて待機している忍びを呼び、皆で船を岸まで近づける。

「兄ちゃんすごい!教えてー!」

指笛を聴いた子供たちに強請られサスケがまた何か演奏している、ボルトの好きなアニメの曲だからきっとサラダも好きなのだろう。
まだ暫く"シュンヤ"でいるつもりらしい彼を見て、ヒナタはニコニコと近付いて行く。

「ヒナタ上忍、油断大敵ですよ」

待機していた忍に叱られてハッとして気を引き締めるヒナタ、サスケはあれで警戒を解いていないので叱られなかった。

(駄目だなぁ私)

心強い味方がいたとしても戦場で気を抜いてはいけない、勘も次の任務までに戻さなければ、ということは帰ったら修業だな。
そうこうしている内に船は岸について子供たちは仲間と共に里へ返された。

「火影への報告は任せていいか?」
「へ?いいけど」
「そうか……」

報告は一人でいいしナルトにも会いたかったので了承するとサスケは顔をプイと顔を背けた。
まだ変化を解いていないので可愛らしい、そうか子どもに変化したなんてナルトに言うと自分の前でも見せてみろと言われるからイヤなのか、あんなに堂々としていたのに可笑しくてつい笑ってしまう。

「なんだ?」
「ううん……シュンヤくん今日はお疲れ様でした」

そう言ってサスケの頭を撫でると、おずおずと目線を合わせてきた。
「ん?」と首を傾げるとさらりと長い髪が目の前に落ちてくる、自分はナルトを兄弟みたいに思っているから、つまりこの人は姉か妹になるのかと見上げながらサスケは笑う。

「お互い怪我がなくてよかったな」
「そうだね」

いまは両方ある腕のどちらを出すか悩んで右手でハイタッチをする。
さて里に帰ろうか……。

「今日のサスケくんの姿のこと、みんなに話してもいい?」
「それは駄目だろ」
「そっか、でも任務と関係ないことならサスケくんのこと話してもいい?」
「は?まぁ構わないが……」

わざわざ伺いを立ててきたのでサスケの評判が悪くなるようなことを吹聴したりはしないだろう、ヒナタはそんなことをする人間ではないし、火影の妻なのだから他人の興味を引くような話題を持っていた方が対外的にもいい。
これも里の為、親友の為、と思って了承したサスケは知らない、ヒナタがサスケが里で過ごしやすくするためにサスケの良いところを皆に広めようとしているのだと――




END
ヒナタはサスケに1ミクロンもときめかないしサスケが里の人から認めてもらえたらナルト喜ぶと思って無差別にサスケイケメンプレゼンを開催してしまうタイプですが同時にサスケがサクラにメロメロ(メロメロて)なこともバラすので案外ライバルは増えない感じです