加護の中の鳥たちは【後編】
私は暗部とヤマト先生の関係に夢を描いているんだと思うます

ヤマトが大蛇丸のアジトから脱出してきたのは根にとっては取り留めもないニュースだったが、暗部にとっては僥倖だったのだろう。
作戦隊長が背負っていたヤマトをゆっくりと近くにいた後輩の暗部に預けて、凝りをとるように慎重に肩を回していた。
忍の足でも数日かかる道のりを人ひとり背負って全速力で走ってきたのだから彼の体は暫く使い物にならないだろうとサイは遠目に見ていたが何の感慨も浮かばなかった。

――やっと、助けだせた……
――ひとりだけでも……
――仲間を取り戻せた

暗部達は大事にヤマトを抱え、特別な医務室へ運んでいった。
他の者がいなくなって気が抜けたのか隊長はヘロヘロと崩れ落ちて、小さな声で呟いたのだ。

――俺にも……守れた……

そうやってまるで自分の方が救われたかのように。
"根"と、同じ血も涙もついでに言えば感情もないモノだと思っていた暗部がヒトに見えた。

ヤマトの存在は蜘蛛の糸よりも頼りない、垂直な崖の間に生えた草だ。
地に堕ちぬよう必死になってその草に縋っている憐れな忍が同じ里の中にいることがとても不愉快だった。

後から聞いたがヤマトを救出する為に暗部数人が上層部へ直談判を行ったそうだ。
大蛇丸の元へ囚われた者達の救出任務など出た事はないのに『初代火影の木遁』という切り札を引っ提げて突撃したらしい。
馬鹿だなあと思った。
命令を乞うことはあっても自分から進んで申し出ることなどあってはならない、暗部は火影の手足なのだから脳の言うことをただ聞いていればいいのだ。
あの暗部達は下手をしたら危険因子だと判断され、いつか秘密裡に消されるかもしれない。
彼を消すなら『サイ』だろうか、彼を『写輪眼』としてしか見ておらず『サイ』の芸術の腕を買うダンゾウならば、そうするのだろう。

地上へ出でてカカシの実力を知りこの時の己の認識をどれほど恥じた事か、同時にダンゾウに感謝した……使い捨ての駒ならとっくの昔に消されていた。
そうだ……彼に従順で腕の立つ『サイ』には捨て駒以上の価値があるとされて、命を長らえてきたのだ。

そんな自分に助け出せるだろうか?
君ひとりすら守れないのだろうか?
いいや、守ってみせる守ってみせたい
やっと取り戻せた仲間なのだから
かつての自分のように救われるだけじゃなく救いたい
そして今度は一緒に救われよう?
君は崖に生える草ではなく、木ノ葉に根差した地の草だ

――君が僕らのことを大事に想うように僕らも君が大事だよ――


「サスケ、久しぶりだな」
「ああ」
「キザシ殿は元気にしているか?」
「特に変調は見られないからおそらくは元気だろう」
「そうか、相変わらず奥方に頭は上がらないのだろうな」
「……まぁ」

サスケが言葉を濁らせる、柔らかな笑みを浮かべるその人が日向の当主だ。
それにしても本当に敬語を使わない奴だな、とサイは呆れた。
サスケはうちは事件のあった頃に世話になった人達やアカデミー教師陣は先生と呼び敬うような態度を見せるが、基本的に敬語は使わずカカシや五影すら呼び捨てにしている。

「でも、相変わらず仲睦まじいんだろうな」
「ああ」
「そうかそうか」

緊張気味だったサスケの顔が僅かに綻んだ。
里内の任務が多いヒアシと里外の任務にあたるキザシにどうして面識があるかというと、前々回の大戦中同じ隊についたことがあるのだとヒナタがサクラに話していた。
ヒアシの方が弟と名前が似ていたから少し意識して見ていて、その時の振る舞いに好印象を抱いたらしい、それに娘の友人の親だと知って親しみを覚えたそうだ。
木ノ葉最強の名門といわれる日向家当主がサスケやサスケの家族に対し穏やかなのは少し安心する。

「ボルトの修行の様子はどうだ?」
「順調です」
「あの子は単純なようで難しいから教えるのは大変だろうが、お前の言うことはよく聞いているみたいだな、安心した……ありがとう」
「ボルトは物覚えが早くて教え甲斐がある、俺も知らないうちに新しいことが出来るようになっていて毎回会うのが楽しみだ……」
「ああ、子どもの成長には日々驚かされるな」

甥っ子を褒められヒアシの隣のハナビも柔らかな笑みを溢した。

「それで、今日は改まってなんの用なんだ?ハナビに稽古をつけてくれるというなら嬉しいが」
「父様!」

サスケの相手なんてムリだと批難がましい声を上げたヒナタだったが、いくつになっても修行大好きっ子なのは変わらないようで若干期待したようにチラチラとサスケの顔を見ていた。
そして今更ながら『サスケさんかっこよいのでは?』と気付いたらしく、うんうんサクラさんが惚れてるだけあると小さく呟きながら頷いている。

「……」

父親として、当主として、呆れたような眼差しを娘に送っていたヒアシがサスケとサイに向き直った。

「柱部のサイ殿を連れてくるということは、それ相応の深刻な問題なのだろう?なにもお前ひとりで背負うことはない」

里内に反乱分子でもいると思ったのだろうか、それもナルトに言えないような相手ではないかと。
サイの任務の中には仲間の暗殺も含まれている、抜け忍ではなく火の意志を裏切ろうとしている者への懲罰、これを受ける度に申し訳ないような顔をするナルトを見るのがツラい。

「お前たちがナルトを大事に思ってくれているのは解っているから」

それを察してかヒアシはもしやナルトの信頼している相手が里を裏切ろうとしていて、そのことで義父に相談しようとやって来たのではないかと聞いているのだ。

「……俺もコイツも火影の指示なく人を殺すことはない……」
「はい、その通りです。それにナルトの家族に嘘を吐くことはあっても嘘を吐かせることはないです」
「ハハッ正直だな……では、なんだ?」

白い瞳がスッと細められる、するとサスケは座布団から降りてヒアシに一礼した。
座布団一枚分距離の空いた彼を見守るサイは、彼がなんのために此処へ来たのかを知らない、もしかしたらくだらない用件かもしれないなと未だ疑っている。

「日向の宗家が日向の分家に施すという呪印を俺にも施してほしい」

サイは呪印という言葉に、舌がヒリリと痺れるのを感じた。
サスケが顔を上げる。

「な、んだと」

ヒアシは目を極限まで見開き、大きな丸い瞳がサスケの姿を切り取った。
ハナビは呆然と此方を見ていた。

「あの忌々しい呪印を……」

ヒアシの顔に怒りが浮かび部屋の空気が張りつめたのを肌で感じる。
彼が怒るのも無理はない。
駕籠の鳥を意味する、服従させ繋いでおくための呪印は確かに忌々しいものだ。
でも違う側面も持っている、たとえば危険な任地へ行かなければならない分家を無駄な誘拐や無駄な拷問から守るための。

「待ってくださいヒアシ様!!」

サイは咄嗟に叫んだ。

「大戦後サスケくんが……いやサスケくんの深層心理に同化したいのが尋問されたときに言っていました。自分が処刑された後この目が移植可能かどうか試されるのは日向の分家の者か?と、そうして人間を使い捨てにするというなら自分がその分里の為に働くと!そんな彼が日向を愚弄するためにこんなこと言う筈がない!!」
「サイ!お前……」
「僕は助っ人なんでしょ?君の有利に働くことなら何でも言うよ」

いのにも言ったことのない秘密を暴露し、それが元で罰せられても構わない。
ナルトやシカマルにはこんなことを腹の内に溜め込んでいたことの方を責められそうだ。

「ヒアシ様、サスケくんはハッキリ言ってクソ自己中です。忠実さが求められる里忍には向いてません。利己的な理由で掟を破ることを僕に仄めかして、いざとなったら殺してもらえると思ってる甘ちゃん玉無し野郎です」
「ハナビの前で下品なこと言うな!……じゃねえ、お前なに本当なに言ってんだ?お前に俺が殺せるわけねえだろうが!!」
「君に写輪眼と輪廻眼があるから?その二つがあるからって死なないわけじゃないだろ?自分が死ぬと思ってるから呪印をかけてほしいんだろ?」
「……」
「……お見苦しいところを見せてすみませんヒアシ様、僕にはわかります。この自意識過剰男は自分が死ねばきっと日向分家にこの瞳が移植され人死が出ることを危惧しています。だから呪印を施されたいんです。彼の体は火影預りになっていますからコレも立派な反逆行為……でもこの馬鹿はそんなことどうでもいいんです。サスケくんはいつもそう、木ノ葉の未来の為、自分を犠牲にしてでも忍の運命に抗おうとする」

最後はヒアシにではなくサスケを見ながらサイは言葉を吐き出した。
サスケは信じられないものを見るような目を向けている。

「僕が、仲間にそんなこと思うのは可笑しいって言うの?」
「そうじゃない、でも俺に対してするのは違うだろ」
「あそこまで腹割って話しといて、ナルトにも言えないような暗い話だってしてた癖に、馬鹿じゃないのこの×××野郎」

「好い加減にせんか!!」

そこでサイははっとする、此方から訪ねてきたというのに迎えてくれた人を無視しての口論(という程ではないが)はかなり無礼だったのではないか、サーっと血の気が引いていくのが解った。
自分のせいで山中一族が潰れたらどうしよう、同じ所へ逝けるか解らないがあの世でいのいちに何の申し開きもできない。

「……つまりサスケお前は自分の死後の輪廻眼の処在を気にしている、間違って適正のない者に移植されるとその者が死ぬのではないかと思っている」
「そうだ……輪廻眼を所有できる可能性のあるのは、うちは一族とうずまき一族の者だが、二つとも日向と同系譜だろ」

というか大筒木の系列だ。
その中でまともに人が残っているのは日向一族のみ、そして日向は同じ瞳術使い。

「写輪眼も輪廻眼も俺な死ぬと時空間忍術で妻の元に送られるようにしているから敵に渡ることはまずないと思う」
「君サクラになにさせようとしてんの?研究室とかでいいでしょ」
「残留思念を組み込む術だからどうしようもない」

つまり「最期にアイツの顔が見たい」と思っている気持ちを利用した術なのか、これを世間に知れたらサクラに危険が及ぶのではないかと思うが、彼女ならそれくらいの覚悟はしているだろう。

「自信過剰ではなく、この目は元来の所有者以外の者が使うには負担は大き過ぎる……死にはしなくても確実に寿命は削る」
「……なるほどな」

ヒアシはそう考え込む素振りを見せるが果たしてマトモに受け取ってくれているか、サイだってサスケの懸念は解かっても言っていることは無茶だと思う、本人の頼みとはいえ火影の許可なしに呪印など施せば日向の立場が悪くなる。
ただ、本当に輪廻眼が日向分家の者に移植されるというなら何としても避けたいだろう、一族の長であるヒアシは里の為なら死ねるが里の為に一族の者を差し出すのには拒否を示す、だとすれば一族を潰すと脅される可能性だって出て来る。

「サスケよ……お前はまだそうなのか?」
「ん?」
「木ノ葉を信頼していないのか?」

ナルトが火影となり他の国と力を合わせ世界を変えていっていると思いきれていれば、そんな心配はしない。

「そんなことはないが」
「サイ殿も、そうなのだろう……まあ忍界で生きてきた者にいきなり全方位への信頼を持てというのは難しいだろうが」
「……」
「そうだな、忍界がお前の望むような人道的な世界に変わることは……私も私が生きている間には無理かもしれないと思っている、死ぬ前にその兆しが見えれば幸いだと」
「父様……」

ハナビが気遣わし気に父を見上げた。
ここで「大丈夫です。なにがあっても日向の者は私が守ります」と言うのは結局ハナビも木ノ葉を信頼していないことになるのだろうか。

「サスケ、サイ、お前達は"一族"の長に必要なものはなんだと思う」
「え?」

急に呼び捨てにさらたサイがサスケからヒアシに視線を動かすと、以前見た"いのいち"へ向けるような眼差しでサイのことを見詰めていた。

「一族の力を誇示することと、それに見合った実力を維持すること、だと私は思っている」

厳格な一族の長はそう言って二人に微笑みかけた。

「才能や強さには血統や身分など関係ないとサイのような忍者を見ていれば解かるがな、人というのはそういうイレギュラーな存在よりも昔からあるブランドを重視する、一人の抜きんでた強さよりも安定した強さを持つ者が沢山いた方が良いと考える」
「……」
「日向が木ノ葉で最強というのは合計値の話だ。一番弱い者でも一般的な忍の平均よりも実力はあるだろうがサイや暗部に匹敵する力を持つ者は本当に十数名程しかいない、単独でサスケと互角で闘える者などは……ネジが生きていればあるいは」
「謙遜が過ぎますよヒアシ様……いや謙遜になってないような気がしますが」
「ああ、だいたい一般の忍からだって俺より強い者はこの先いくらでも出て来るだろう」

世界は日々進化していくのだから、きっと自分達が生きている間であっても今の自分よりずっと強い者が出て来る、弟子に追い抜かされる日だってきっと訪れる(それが楽しみで堪らないのだけど)

「話しが逸れたな……サスケ、お前は自らの手でうちは一族を衰退させるつもりか?」
「はぁ?」

サイは手を精一杯伸ばしてサスケの口元を抑えた。
日向当主に向かって「はぁ?」はない、「はぁ?」は。

「それともお前はもう一族の再興は諦めているのか?」
「そんなことはない、何故そんなことを言うんだ」
「ならばどうして一族の力を封じる呪印を望む?他族から呪印を施されるなど屈辱でしかないだろう?お前が一例を作ってしまえばお前の子孫や他の国にいるやもしれない一族の生き残りにも影響が及ぶと思わないのか」
「……違う、俺はしたいのはそういうことじゃない」
「お前がそう思わなくても周りは己に都合よく解釈するぞ?そして今のお前のように"誰かの為に"を理由にうちは一族に呪印を強要する者が出て来るかもしれない」

――うちは一族の長の子、うちはサスケがそうしたのだから、一族にとってそれが正しい選択なのだ――
そう嘯いて、また人とは思えぬような扱いを受けることだって無いとは言えないのだ。

「サイも」
「え?」

急に話しを振られキョトンとしてしまう。

「ナルトの話を聞いていると、お前はシカマルやチョウジやその伴侶に比べて里に従順過ぎるように感じる、いや勘違いするなナルトはそんなお前を頼りになると思っているんだからな……ただもう少し自分の意見を出していいのではないか?山中一族がいのの代になって腑抜けになったなどと言われないように」
「はあ……」
「一族を存続させる為には、簡単に切り捨てられないような力と、たとえ里に裏切られても独り立ちしていけるくらいの力を付けなければいけない」

サイは脳裏に『白』と『再不斬』の話が浮かんだ。
ずっと里に逆らえば自分たちは『白』になるしかないと、そうしたら誰かに『再不斬』になってもらうしかないと思っていたが、まだ違う道があるのだろうか。

「世界が信頼できないと思うなら余計に、その不安を払拭させる努力が必要だろう?大きな力に押し流されないくらい自分も大きな力を身に付けろ、正しく公平な方法でな、その力を世界に認めさせろ、お前の一族が脅かされぬように」

ヒアシはサイに微笑む。
彼がいのいちにしていた"丁重"な扱いだ。

「サスケも……ツラい立場ではあると思うが、一族の長なら何があっても卑屈になってはいけない、外でも家でも自分のことを粗末に扱ってはいけない、己のプライドを守る為ではない一族の尊厳を失わない為にだ」

サスケは瞳を閉じて、もう一度ヒアシを見詰め直す。
――お前がこれからどうなろうと俺はお前をずっと愛している――
犯罪者だと蔑まれようと厚顔無恥だと罵られようと、この言葉と愛してくれる家族がいれば、それだけで真っ直ぐに生きていける。

「お前がしなければいけないことはな、少しでも長く生きて輪廻眼を守ること、うちはの血を引く娘を守ること、そして何処かにいるやもしれないうちはの生き残りを探すこと、その者たちが虐げられていたら助けること、それを正しいと思われるような信頼を勝ち得ること……つまりお前が大事にされていなければいけないのだぞ」

どれもがサスケが大事な存在だと思われなければ成功しないことだから。

「私は同じ一族の長としてお前を大事にしたい、だから呪印を施すことはできぬ……だが、一緒に考えることは出来る……輪廻眼の問題は日向一族にも……いや血継限界を持つ全ての一族の問題だ」

仲間を頼れと、兄にも友にも言われてきたのにどうしても一人で背負い込もうとしてしまう。

「お前ひとりで解決しようとするな、少なくとも此処には四人の同志が集っている……長い時間をかければきっと良い案が浮かぶと思うのだが、どうだろう?」
「そうだよサスケさん!!私も一緒に悩むよ!!それにサスケさんはあのとき父様を助けてくれたんだから今度は私達がサスケさんを助ける番だよ!!」
「だ、そうだ」

目の前で親子が任せなさいと胸を張って構えている。
さすが日向、最強に頼もしかった。

「僕も……」

そして、横から穏やかな声が掛けられソチラを向くと彼はサスケを見て困ったような嬉しそうな笑みを浮かべていた。

「君の同志らしいから、これからも助っ人を続行させてもらうよ」

だから君もいざとなったら僕を助けてね。
と、言われサスケはフッと息を吐き出した。

「すまない、みんな……恩に着る」

だから恩とかそんなんじゃなくて――と、三人は少しがっくりしたが、彼にとっては「ありがとう」は特別な言葉なので今はまだ言われなくても仕方ないのだった。



帰り道。

「あ、大蛇丸」
「げ、マジか」

団子屋の前で団子を食べている大蛇丸を発見しまるで「あ、雨漏り」「げ、マジか」というトーンで言ってしまった。

「あらサスケくん、サイくんも久しぶり」
「……」
「そんなイヤそうな顔しないでよ、お団子ひとつあげるから」
「いやいい」
「遠慮しとくよ」
「そう?アンコならこれで機嫌良くなるのに、つれないわね」

(アンコさんチョロいな)
(というかコイツ元師匠としてあの体型をどうにかしようとは思わないんだろうか)
(大蛇丸がいるってことはヤマトさんも近くにいるのかな)

一応、姉弟子にあたるアンコを思い出して眉を顰めるサスケと、周囲の気配を探るサイ、わざとらしく此方を見張っている気配を見つけてサイはニコっと笑顔を作った。

「そうだ大蛇丸、伝言頼まれてくれる?」
「伝言?ミツキにならサスケくんの娘経由の方が早いと思うわよ」
「違うよ、もし会ったらでいいんだけどね、ヤマトさんに」

きっと聞き耳を立てている彼へ。

「たまには顔を見せてください、寂しいです。仕事は忙しいかもしれませんが息抜きも必要ですよって」
「ふふ、わかったわ」

サイがそう言うとサスケがヤマトがいるだろう場所をじっと見て、非難めいた眼差しを送った。
大方「サイに心配かけてんじゃねえよ」ということだろうが、別に心配なだけで言っているわけでもないのだ。

ヤマトには話したいことが沢山ある。

ナルトやサクラやカカシの近況報告。
いのやいのじんの自慢話。
新生・猪鹿蝶のフォーメーションについての相談。

あとは、サスケとの友情のこと……彼には沢山サスケの悪口を聞いてもらった過去があるから安心させるためにも教えておかないといけない。
そして……自分自身の決意について、まだ迷うことはあるけれど、山中家の婿として生きていく為に自分に課した試練や覚悟。

思えば自分は彼を最初から知っていたのに彼が自分を認識したのはもっと後になってからだ。
すこし悔しいので昔の話や最初に見た時の印象なんかも話したい、そしてこんなに成長しましたよっていうところを見せてあげたい。

一人だけ救い出されてしまった彼に『生き残って良かった』と思ってもらえるように。




END

何故かヤマトさんオチでしたね
いやヤマトさんが暗部の中で可愛がられてたらいいなって思ってます
音隠れとか鷹メンもですが、大蛇丸関係者って可愛い青少年って感じなので今生き残ってる人達に親交があったらいいなと思ってます
あと大蛇丸様のとこに囚われてた人達ちゃんと自分の里に帰れたかな…帰ったとしてもトラウマ残ってないかな?イジメられてないかなっていらん心配をしています
サソリの旦那にも部下が何人かいたらしいし雨隠れとか、多分いただろう暁の部下たちも今なにしてんだろう?と思います
うん、サスケとサイの話しのあとがきで何言ってんだろう私