fragile hard hold
注意事項
※トド松が貞操の危機に瀕していますが未遂です
※モブとの絡みがちょっとでもあったらダメという方はバックオーライ
※一松視点(心の中ではカラ松をカラ松兄さん呼びしてる感じ・トド松のことを弟として大事に思ってる)



俺は自分の二つ下の……といっても同じ日に数十分差で生まれた六つ子の弟を、ずっとずっと馬鹿みたいだと思ってた。

俺や十四松がトド松と行動するようになったのは中学になってからだ。

次男のカラ松兄さんが演劇部に入ってから休みの日にも学校へ出掛けるのでその分俺たちと一緒にいる時間が増えた。

と、言ってもトド松は別に友達がいないわけじゃない、人心掌握術に長けたアイツは学校では男女問わずいつも人に囲まれている、ただ平日の放課後は演劇部の声が聞こえる場所(中学時代は図書室)で本を読んだり宿題をして過ごすのが多かった。


トド松は昔からそりゃあもう解りやすくカラ松兄さんのことが好きだ。

気付かないカラ兄さんは鈍感なんじゃないかと思うし、逆にカラ松兄さんの気持ちに気付かないトド松も鈍感だと思っていた。

中学高校とも六人で同じところに通ってた俺は、その頃はまだみんなのお陰でそれなりに人付き合いというものがあって、そうすると校内の噂話もそれなりに耳に入ってきていた。

学校でのカラ松兄さんとトド松の評判は面倒見のよい兄と我儘な弟というものだった。

たしかにカラ松兄さんが面倒見がよいのは事実で、トド松が我儘なのも事実だったが、俺は少し誇張されすぎなんじゃないかと思っていた。

トド松は他人から「カラ松くん優しいね」と言われると「そうかな?カラ松兄さんいつもあんなだから解らないや」と答える。

そのせいで末っ子だから甘やかされて育っている印象を与えるのだ。

甘やかされてる?たしかにそうだけどアンタら我が家の兄弟喧嘩みたことあんのかよ?弟だろうと容赦ないんだぞ?

って、言ってやりたくなるのを耐えたのは偏にトド松の意志を尊重したかったからだ。

計算高いアイツがこのことを解ってないわけがないし、アイツは自分の評判が悪くなると解ってわざとやっている。

たしかにトド松は性格が悪く、チョロ松兄さん曰くドライモンスターだけれど、同時にひどく不器用なところがあった。

家の中でもそれをするもんだから、きっと兄達にはバレていないと思ってるんだろう、本当に馬鹿だな。


高校を卒業してからは四六時中、一緒にいられるわけじゃなかったけど、カラ松兄さんとトド松が一緒にいる時の態度は変わらなかった。

もうそれは癖になってしまっていたのだろう、カラ松兄さんの事は大事に想っているようだったけどアイツは正真正銘のドライモンスターで、他の兄にもなかなか毒舌を言ってくるので俺達もその頃には特に気にしなくなっていた。

暫くするとトド松はカラ松兄さんが痛い言動や痛い服装をするたびに辛辣にツッコミをいれるようになった。

カラ松兄さんが少しでも世間から浮かないように、家族以外で傍にいてくれる人が出来るように……やっぱり馬鹿だなって思う、兄さんの事が好きな癖に。


そんなトド松がカラ松兄さんと(ようやく)付き合い出したのは最近の事だ。

今までが今までだっただけにトド松の浮かれっぷりったらなかった。

そして何でか知らないが俺や十四松だけじゃなくおそ松兄さんやチョロ松兄さんにも自然に甘えるようになったので、付き合い始めたばかりの彼氏(笑)が面白くなさそうだ。

まあ俺はざまあみろって思ってたけど優しい十四松はカラ松兄さん可哀想とか、でもトド松が楽しそうだから止めてあげられないとか悩んでいた。

流石に兄弟相手に嫉妬や独占欲を剥き出しにするのは大人気ないとカラ松兄さんも耐えていたけど、そろそろ限界なんじゃないかって思う。


俺がある日、猫に餌をやりに公園へ行くと、カラ松兄さんがいかにも水商売やってますといった風貌の女から言い寄られてるのが見えた。

ぼったくりバーにでも連れて行くつもりなんだろうけどトド松と付き合う前ならまだしも今の兄さんにはそんな色仕掛け通用しませんよーーと思いながら暫く見ていたら、やっぱり兄さんは丁寧に断って、公園の外に逃げ出してった。

トド松と待ち合わせじゃなかったのかな?と思ったけど、まあ携帯持ってるから場所が変わっても平気かと特に気にかけることなく俺は猫たちの元へ向かったのだった。



それから数日後、おそ松にいさんの携帯に一本の電話が入ったとき、何でかイヤな予感がした。

相手はイヤミだった。

電話を掛けながら神妙な面持ちになったおそ松兄さんが皆に言う。


「トド松が誰かに連れ去られたって」

「なんだって!?」


そう叫んだのはカラ松だ。


「後ろから頭を殴られて黒塗りの車の中に押し込まれてるのを見たんだって、今車で追ってるって、場所が解ったら連絡するからとりあえず俺達も途中まで来いて」


丁度そのとき家にはトド松以外の五人がいて、家の車も置いてあったから全員で向かうことにした。

いったいどうしてそんなことになったのかとグルグル考えているとイヤミからまた連絡が入った。

トド松を連れさった男達は気絶したアイツをある倉庫の中に運んでいったそうだ。

車の中にノーパソを持ち込んだチョロ松兄さんがその倉庫の住所を聞いて誰のものか調べだした。


「キャバクラを経営してる男が借りてるみたいだね、そのキャバクラは今営業停止中だけど」

「営業停止?」

「ぼったくりを誰かに摘発されたみたい」


それを聞いてピンときたのは俺とカラ松兄さんだ。


「まさかトド松が摘発したんじゃ」

「は?」

「俺見たんだよ、水商売風の女がクソ松に言い寄ってんの、ソイツその店とグルだったんじゃない?」

「……うっわ、ありえる」


運転していたおそ松兄さんがガックリと首を下ろす、お願いだから前みて前。

トド松のことだからカラ松兄さんが再びぼったくられないようにと店を潰しとこうなんて考えるかもしれない。


「アイツの場合痛い目みても懲りないからなぁ?カラ松」


おそ松兄さんはミラー越しにカラ松兄さんを見て笑いかけるが、カラ松兄さんは無表情のまま前を見据えたままだ。

これはヤバイんじゃないかと鳥肌が立った……イイ意味で。

カラ松兄さんをカモにしようとした店を摘発して、それがなんでかバレて捕まったんだとしたら逆恨みもいいとこだ。

珍しくトド松はなにも悪くないから遠慮なく潰せる、たとえトド松に非があったとしても俺達の弟に手を出したなら赦さない。

倉庫街の入り口に以前イヤミに乗せられた車が待っていた。


横につけると黒い窓が開いたのでおそ松兄さんも窓を開ける。


「向かって右、六番目の倉庫ザンス」

「おう、サンキューな」


それを聞いたイヤミは車をふかせて何処かへ去っていく、今度おでんでも奢ってあげよう、ツケで。


「いざって時の為に十四松は車で待機しといて」

「え?でも……」


自分だってトド松が心配だという顔をした十四松にチョロ松兄さんが「待ってるのも大事な仕事だよ」と言い聞かせた。

十四松は頷いておそ松兄さんが下りた運転席へ代わりに乗り込む。

俺とおそ松兄さんとカラ松兄さんとチョロ松兄さんはイヤミに言われた通り右側の六番目の倉庫へ走る。

近付くにつれ中からトド松の声が聞こえてきた。


「触んなクソ変態!!ぶっ殺すぞ!!」だの「やめろやめろやめろ!!!」だの、それは明らかに悲鳴だった。

何をされているんだろう、怖気の走った俺達は走るスピードを上げた俺達が倉庫の扉を蹴り破った瞬間。


「カラ松兄さん!!」


助けを求めるトド松の声が倉庫中に響いた。


「え……?」


倉庫の中にはトド松と黒服の男達がいた。

数人、伸びた男が床に転がっているからトド松が自力で倒したのだろう、それはいい。

問題はトド松と残った二人の男。


一人は屈強な大男で、トド松を羽交い絞めにしている、そしてもう一人は細身のホスト風の男でトド松の足を自分の肩に乗せて股の間に手を入れて……え?これってまさか……


俺が驚いて動けずにいる内に、両サイドから赤と青の塊が弾丸のように飛び出していった。

次の瞬間、ガッシャーンと大きな音を立て倉庫に置いてあった箱が崩れ砂埃が舞い上がった。

早すぎてよく見えなかったが一人はおそ松兄さんが蹴り飛ばして、一人はカラ松兄さんが殴り飛ばしたのだ。

おそ松兄さんは凶悪な笑みを浮かべながらコキコキと関節を鳴らし、カラ松兄さんは無表情のまま静かに殺気を放っている。

この場合カラ松兄さんの方がヤバイかな……恋人のあられもない姿を見せられたのだから当然か、怒りと共に兄弟間では抑えられていた独占欲が爆発したんだろう。

そう言う俺もちょっとヤバイ。


「カラ松!!殺してやりたい気持ちは解るけど今はトド松をどうにかしろ!!」


一歩踏み出そうとしたら後ろからチョロ松兄さんが叫びが聞こえた。

振り替えるとチョロ松兄さんは膝くらいまで下ろされたトド松のズボンとパンツをずり上げているところだった。


「コイツ過呼吸起こしてる!なんか袋持ってないか!?」


そう聞かれた俺はポケットからビニール袋を取りだしトド松の口元に軽くあて、落ち着くよう語りかけ初めた。


「アイツらのことは僕に任せて、トド松の傍にいてやって」

「……」


チョロ松兄さんの言葉に無言で頷いたカラ松兄さんはチョロ松兄さんと場所を変わりますトド松を支え、背中を擦りだした。

ちらりとおそ松兄さん達の方を見ると、じわじわ相手を追い詰めていく戦法を選んだようで、まだ黒服の男たちは動けていた。


「……」


やがて落ち着いたトド松は「え?」と言ったあと恐る恐るといった表情で辺りを見回す。

自分をレイプしようとした二人組をおそ松チョロ松がおちょくるように攻撃している所、紙袋を持った俺の安心した表情。

そして隣のカラ松を見た瞬間、トド松の顔から血の気が引いた。


「トドま……」

「だめだよ!!」


カラ松兄さんが名前を呼び終わる前にトド前は大声を上げて兄さんを突き飛ばした。

え?なんで?


「さ、触らないで」


トド松は真っ青な顔で震えながらカラ松兄さんを拒絶する。


「ぼ、ぼく汚いから」


カラ松兄さんの顔を見るけど無表情で、何を考えてるのか読めない。


「触ったらカラ松兄さんまで汚れる!」


トド松はそう言って倒れてしまった。

過呼吸の後に叫んだから酸素不足になったんだろう、けれど呼吸は落ち着いているし本当にただ気を失っただけのようだ。


「……」

「カラ松、一松、お前ら先にトド松を連れて帰って……いや、その状態で帰ったら母さんが心配するから、適当なとこ連れてって体きれいにしてやって」


おそ松兄さんと見事なコンビネーションで鼠をいたぶる猫のように相手を翻弄してきたチョロ松兄さんがコチラへ来て言うので、俺はカラ松兄さんを促し一緒にトド松を外に連れて行った。

カラ松兄さんは無言のまま、何を考えてるか解らない顔をして車までトド松を背負って歩く、兄さんがもし自分を責めているのならそれは間違いだ。

俺はどう思っているんだろう。

トド松に対する怒りはない、みんな好き勝手生きてるのだから嘘を吐かれたり出し抜こうとされる以外でトド松の行動を咎める権利はないのだと思う。

面倒くさいけれど、そもそも六つ子はそれぞれ性格に問題を抱えていて、俺だって端から見ればトド松のように面倒な所があるだろう。

ただ……


「なんでコイツいつまでたっても自分が弱っちいって気付かないの?」


馬鹿な所は馬鹿って言ってもいい筈だ。


「いくら狡賢かったって俺たちに束になられたら敵わないって知ってる癖にさ、なんで何でも一人でやろうとするわけ?」


トド松は高圧的な態度に弱い、普段かわいがられているからか兄に対して強く出られないし、少し脅せばすぐ謝る、最初は反抗はしても最終的に従ってしまう。

なのに妙な度胸があるから時々こうやって痛い目を見る、今は狡猾なドライモンスターでも元々はドジで騙されやすく鈍感だからどんな画策を立てても結局失敗するのに、全然懲りない。

そんな性格になってしまったことを誰かの所為にはできなくて、自業自得というより他ないのだけど、兄として心配なんだ。


「ほんと、馬鹿じゃない……」


そう言ったところで車に辿り着き、俺は助手席に乗ってカラ松兄さんはトド松を後部座席に乗せ自分もその隣に乗った。

携帯で近辺のホテルを検索し十四松の運転でそこへ向かう。

案の定ラブホテルだったけれど、受付は顔色一つ変えず空いた部屋の鍵を渡してきた。

トド松をおぶっていたから酔い潰れた兄弟を介抱するのだと思われたのかもしれない、部屋に着いてトド松をベッドへ下ろす。

十四松はベッドの端に座ってトド松の頭を撫でる、俺も反対側に座って涙の跡の残る顔を見下ろした。


「黙って突っ立ってるなら風呂にお湯張ってくれば?」


カラ松兄さんに言えば黙って浴室へ向かっていった。

あの人はいったい何を考えているのか……


「あ、トド松……」

「……ん、十四松兄さん」


丁度兄さんが浴室に入ったところでトド松が目を醒ました。

ドアが開けっ放しだから声は聞こえるかもしれない。


「もう大丈夫、ここは安全な場所だからね」

「うん、ありがとう……」


疲れきった顔をして天井を見上げるトド松。

はぁと大きな溜息を吐いた。


「アイツらに何されたの?」

「……胸触られたり、指を挿れられただけ、最後までされてない」


そういって腕で顔を隠した。

あのまま俺達が来なかったらお前犯されてたろ。


「……アイツらに心当たりは?」

「知らないけど、僕に彼女とられたと勘違いした奴らじゃないかな」


……なに、言ってんだよ、お前わかってんだろ?なに誤魔化そうとしてんだよ?

ほら十四松も怒ってる。

俺が声を荒げよう口を開きかけた時……


「嘘吐くな!!」


浴室から戻ってきたカラ松兄さんが雄叫びのような声を上げた。

両サイドの部屋から壁をドンと叩かれる、元来の意味の壁ドンだなぁと呑気に思っていると(多分十四松も同じようなことを思っている)カラ松兄さんはずんずんとベッドに近付いてきた。

トド松が上体を起こし、怯えたように兄さんを見上げている。


「誤魔化すな、もう全部知ってる」

「え……」

「今回のことも……昔のことも……」


暫く振りに聞いた声は、落ち着いた静かなものだった。


「昔のことって」

「学生時代の、女子のこととか」


愕然と目を見開いたトド松に追い討ちをかけるようにカラ松兄さんは淡々と言葉を続ける、何を考えているか解らない声。

傍で聞いているだけで怖いのだから言われている本人は相当恐ろしいだろう。


「どうして、そんなことをしてきたんだ?」


俺は邪魔をしないように立ち上がりベッドをそっと離れた。


「どうしてって……」


トド松は震えた声で必死に答える。


「カ……カラ松兄さんが好きだったから」


ああ、かわいそう。


「カラ松兄さんの為になんかしたくて……でも僕ばかだからこんなことしか思い付かなくて……」


どうしてお前は気付かないの。


「カラ松兄さんが好きで……本当に好きで……」


トド松が言葉を発する度に兄さんの顔が歪んでゆく。


「笑っててほしくて……だから」


涙を浮かべてるトド松には見えないだろうけど……


「……わらってよぉ」


そう言ったあとベッドに両手を付いて俯いてしまうトド松。

そんなトド松をみてカラ松兄さんの口から出てきたのは


「笑えねぇよ」


なんとも無慈悲な声だった。


「十四松、帰るよ」


小さな声で十四松を呼ぶと後ろ髪引かれながらも頷いて此方へきた。

異様な雰囲気に包まれた部屋を二人でそっと抜け出す。


「カラ松兄さん、流石元演劇部だね」


駐車場へ下るエレベーターの中で十四松は言った。


「ああ……あの顔みるまで俺も騙されてた」

「トド松かわいそうだった」

「仕方ねぇだろ、あの場合……」


馬鹿は死ぬまで治らない。

死ぬほど怖い目に遇えば少しはマシになるかもしれない。

トド松にとって死ぬほど怖いことがあるとすれば、カラ松兄さんに嫌われることだ。


「まぁアイツのことはクソ松に任せといて急いでおそ松兄さん達を迎えに行くよ」

「うん、僕も一発殴っとかないと気がすまない」


僕の大事な弟を傷付けて!と息巻く十四松の背中を軽く押して、俺も「そうだな」と頷いた。




69 69 69 69 69 69




――後日

兄達五人が居間で寛いでいると、すっかり元気を取り戻したトド松が数枚の紙を持ってご機嫌な声をかけてきた。


「兄さん達ー!ちょっと頼みたいことがあるんだけどさぁ」

「うあ?」

「どうしたマイスウィートブラザー、愛する弟の頼みなら喜んで引き受けるぜ」

「うるさいカラ松」


チョロ松兄さんの短いツッコミがカラ松兄さんに突き刺さってるのを横目に見ながら、隅で猫と遊んでいた俺もテーブルへ近付く。

全員が集まるとトド松はパラパラと紙をテーブルの上に投げた。

知らない男たちの写真だ。

しかも皆人相が悪い。


「なに?誰これ」

「高校時代に僕をリンチにした奴らだよ……」

「は?」

「「ってことは、隣街で一番の不良だったヤツ?」」


と、おそ松兄さん達から高校時代の話を詳しく聞いた俺と十四松は同時に聞いた。


「そうそう、いつか仕返ししてやろうと思ってたんだけどさぁ、コイツら暴走族の頭と側近になっちゃってて中々手を出しづらかったんだよねぇ」

「暴走族て」


ニートの俺が言うのも何だかイイ歳こいて何やってんだ。

いや暴走族にもそれなりの理由があるのかもしれないけどさ。


「でもさ、みんなの協力があればイケる気がするんだよね!」

「復讐からは何も生まれないぞトド松」


いつぞやのジグ蔵のことなどを思い出したのか、それともこれ以上トド松に危険な目に遇って欲しくないのかカラ松兄さんは冷や汗を滴ながら止めようとしている。

しかし長男はニヤニヤ笑いながらカラ松兄さんとトド松の間に割り込み二人と肩を組んだ。


「いいじゃん!いいじゃん!トド松かっこいーー兄ちゃん惚れちゃいそう」

「おい!」

「えー?じゃあカラ松兄さんに飽きたらヨロシクね?」

「飽きさせねぇよ!」

「……えへへへへ」


なんだか顔を赤くして照れているトド松は可愛いが、言ってることは最悪だった。

ドライモンスターの汚名挽回だな……うん、おかえり。


なんて思っていると、横にいたチョロ松兄さんがぺラッと写真を一枚つまみ上げボソッと呟いた。



「けどコイツらもうあの時に僕とおそ松兄さんで制裁与えてんだよねぇ」




そうして俺はドライモンスターより恐ろしい存在がここに二人いることを知ったのだった。






END