症の証

開けたままのバスルームの扉から蒸気が漏れだしストライプ模様の壁を這っている、ラブホテルによくあるガラス張りのバスルームの壁に今は外側からカーテンで目隠しがしてあった。

よくあると言ってもラブホテルなんて数える程しか来たことはない、その全てがこの目の前の弟とだ。

トド松だってそうだろう、初めて来たときは噂で聞いていたとおりだとはしゃいでベッドの上で跳ね上がっていたのを思い出す。


「……」


今はベッドサイドに置かれたティッシュで涙と鼻水を止めようと悪戦苦闘しているトド松に俺は努めて冷めた眼差しを送り続けていた。

たとえトド松は俺を見ようとしなくても辞めない。

やがて涙の止まったトド松は使っていたティッシュをゴミ箱へ捨てると小さく息を吐いてベッドの上で身を縮ませた。

泣いたあとで苦しいだろうに呼吸を最低限に抑え、眼を伏せ気配を無くそうとする姿に、そんなことしても無駄だと言いたくなる。

ただ、今口を開いてしまえば自分は何を言い出すか解らない、言葉を出せば出す程コイツが心を閉ざしていくのも知っている、痛いと言われることも。


「……」


トド松が一瞬何か言おうと口を開いたが、呼吸もせずに閉ざしてしまった。

さっき俺に笑ってほしいと頼んだことを無下にされてしまったから、また俺から冷たい言葉を浴びせれるのではないかと不安で堪らないのだろう。

そんなトド松がいじらしくて愛しくてたまらないが今は甘やかしてはいけない時だと思う、だから俺は怒っている演技を続ける。

やはり極力口は開かないほうがいいな、でないと延々と愛を囁いてしまいそうだ。

脚本があればその通りの台詞を言えばいいのだけど……けれどそうしたらコイツが劇の登場人物になってしまう、それは駄目だ。

トド松は俺のものだから劇の世界の一部になんてさせない。


「おい」


俺が声を掛けるとトド松はおずおずと顔を上げた。

目許が少し赤くなっているのは、擦ったせいだろうか、痛そうなそこに思わず手を伸ばすと期待したような眼差しで見るので俺は頬ではなく腕を掴んだ。


「……」


コイツはまだ俺を信じている。

弱っているものを放っておけない優しい兄だと心の底で信じている。

そうさせたのはお前だというのに自覚はない。


「立て、体触られたんだろ?」


洗うぞ、とわざと平淡な声をかけトド松の腕を引っ張った。

痛みにひきつったような声を上げたトド松だったが、大人しく俺に手を引かれバスルームまで付いてきた。


「脱がすぞ」

「じ、自分で脱げる」


シャツの裾を掴み引き上げようとする俺を制止させ、トド松は暫くぶりに言葉を吐いた。

ふてぶてしい弟のものとは程遠い小さな呟きと、此方を探るような眼、俺が眉を寄せると気まずそうに顔を逸らし、バスタオルを手にとって隠しながら上着を脱いだ。

次は下を脱ぐのかと腰に目をやるとトド松のズボンの釦がとれ、チャックがよれているのに気付いた。

ベルトを外せばすぐに落ちてしまいそうだ。

どうしてそうなってしまったのか理由が思い当たって、俺の中に本物の怒りが燃える、アイツらに無理矢理脱がされたんだ。


「……あんまり見ないで」


険しい顔を浮かべた俺に恐る恐るそう言ってトド松は、バスタオルで前を隠しながら下半身も一気に脱いだ。

そのまま一人で浴室に入ろうとするトド松の腕を掴みバスタオルを剥ぎ取る。


「うわっ!」

「……なんだよ、これ」


抵抗した時に殴られたのか腹に青痣と、余程強く掴まれたのか太股の内側に手の痕が付いていた。

トド松は逃げるようにして浴室へ入ってゆく、怒りに火の着いた俺の顔を見て怯えているが別にお前に対して怒ってるんじゃない。

脱衣室と浴室を隔てる透明な扉の前に立ち塞がり、トド松から目を逸らさずに服を脱いでゆく。


「に、にいさん……僕ひとりで大丈夫だから、だから」

「黙れ」


そう言うとトド松は石像のように固まった。

俺は服を全て脱ぎ捨て、大股で浴室へ入る、タイル張りが足に冷たい。

扉を閉め、浴槽に湯をはっていた蛇口をシャワーに切り替える、一気に膝下まで水蒸気の靄ができた。

水温が丁度良いことを確認しトド松の頭からシャワーを掛ける、トド松は殉教者の様にそれを受けとめ、また少し泣いているようだった。

シャワーは一旦止めてスポンジを手に取りボディソープを泡立てる、まず腕と脇を擦り、次に首筋から順に下へと洗ってゆくが、もう抵抗は見られなかった。

外を出歩く割りにはきめ細かく健康的な色をした肌を薄ピンクの泡が伝っていく、鎖骨から胸にかけてスポンジを持つ反対の手で撫でると、ピクリと反応した。


「胸を触られたと言ったな」


一松と十四松に話していたことを訊けば、その時の嫌悪感を思い出したのか一瞬にして表情を歪ませる、それを肯定ととり俺はトド松の胸を執拗に擦り始めた。


「に……にいさん……あぁ!」


同時に背中に手を回してスポンジで上から下にかけて洗ってやる、腰の少し凹んだ部分を撫で回しながらもう一方の手の指で乳首を挟むと、高い声を上げた。


「や、やめて……ふあぁあ」


制止の声を無視し尻たぶの間、足の付け根、陰毛、ペニスと、揉みながら洗ってゆけばトド松は力を無くし床に座り込んでしまった。

スポンジにボディソープを足し泡立てると、今度は丁寧に太股から爪先にかけて洗ってやる。

トド松は「ふっ……ふ……」と息を漏らしながら、何かを耐えるように足を洗う俺の手を見ていた。


「持て」


そう言ってスポンジを渡すとトド松は素直に受けとる、不思議そうに俺を見詰める瞳を可愛いと感じながらその体を抱き寄せ正面から密着する。


「は?」

「前は俺が洗うから、背中をお前が洗ってくれ」


意味がまだ伝わらぬうちに腰を動かし、泡だらけトド松を使って体を洗い始めるとトド松は焦ったような声を上げた。


「あっやっ……カラまっ……ああんっ」


まるで疑似セックスの様なソレ、俺の腹筋にトド松のペニスが擦られ硬度を増していくのが解る。


「はっ!あっやめっ……あッ!か、からまつにぃさ……あぁぁ」


そして、もうすぐ射精するというところで律動を止めた。


「え……?」

「ほらトド松、早く背中を洗ってくれ……そうしないと何時までこのままだぞ?」

「なっ!?」


一番ツラいところで止められ、信じらないような顔で俺を見るトド松に、ククッと冷たく笑ってみせる。


「なぁ?トド松?」


耳元でこの弟の大好きな声を聞かせてやれば、それだけで刺激になったようで高い声を上げながら俺の肩に吸い付いてきた。

ちゅぱちゅぱと音を立てながら、首を吸ったり耳を甘噛みしてくるものだから可笑しくて笑ってしまいそうだ。


「仕方ないな」


一旦トド松の体を離し、立ち上がった俺はトド松の手を引き立ち上がらせた。

シャワーを再び出し二人して頭から浴びながらトド松の髪に手を差し込み、軽く口付けた。


「……」


いつもであれば深い口付けに変わるところを止めて、シャワーもついでに止めた。


「カラ松兄さん……」


甘えた声を出す弟に鋭い視線を返すと、怯えたように瞳を揺らし黙りこんだ。

また手を掴み浴室の外に出る。

タオルで体を拭きながら湯をはった意味が無かったなと思う、まあいい給湯器もついているから終わった後にまた温め直そう。

粗方体を拭き終えた俺は同じく体を拭いたトド松を連れ裸のまま脱衣室を出た。

照明は暖かいオレンジ、お互いの姿もハッキリと見える明るさだ。

トド松をベッドの上に座らせ、部屋の中にある自販機でローションとコンドームを購入した。

ここまでくれば流石に抵抗はしないだろう、寸止めを喰らったままではトド松もツラいだろうし、また汚いから触らないでと拒絶されるかもと思っていたので安心する。

僕は汚れている……あれはきっと咄嗟に出た言葉で、恐らく心のどこかにずっとあった言葉なんだろう。


「寝転がって足を広げろ」


そう言えば少し戸惑いながらもその通りにするトド松、こんな従順な姿は初めて見る、たまには良いかもしれないと思いながら俺もベッドに乗り上げ足の間に座った。

枕を取ろうとトド松に覆い被されば、その体に一瞬にして朱が差す……ああ、もう今日は厳しくするって決めているのに、可愛いな。

二つの枕のうち一つをトド松に持たせ、一つを腰の下に差し込んだ。

ローションを掌に取りだし体温に馴染むまで待っていると、枕をギュッと抱き締めながら期待と不安を孕んだ瞳で俺のことを見てくる。

他の男に触れられた時は必死に抵抗し過呼吸にまでなった弟が俺には歓んで体を委ねるのだという事実が嬉しく、同時にコイツが他の男に触れられたことを思い出し怒りが沸いた。

それが表情に出ていたのだろうトド松が怯えたような顔になる、本来なら傷付いたコイツにこんなことをすべきではないのかもしれない。

しかし俺はどうしても俺以外の奴がコイツに触れたところを俺で上書きしたかった。

丸見えになった秘部にローションに濡れた指をいきなり差し込む、最初の頃は痛がっていたたが俺とこういう関係になってから徐々に慣らし始め、清潔を保つよう心掛けているという。

ここに触れたあの男もこの軟らかさに驚いたんじゃないだろうか、今まで俺しか知らなかった其れをあの男に知られてしまった。


赦せない……俺とトド松ふたりだけのものだったのに……


「ッ!」


苛立ちが動作に出ていたのかトド松が苦痛の声を上げ枕で顔を隠した。

コイツは性交中にけして痛いと言わない、言ったら俺が止めてしまうと思っているのだろうか、それで「兄さんは優しいね」なんて言ってくる。

コイツは俺は誰にでも優しいのだと思っている、俺の事を兄弟の中で一番好きだと言いながら、乾いた心でどうせ他の兄弟から同じことを言われても嬉しいのだろうと思っている。

たしかに家族全員を愛しているし、弟は守るべき存在だ。

だけどお前は幼い頃からの相棒であり今は恋人という特別な存在なんだよ。

ずっと前から大好きだった俺の想い人だ。

毎日愛を囁いているのにどうしてそれが伝わらないんだろう。

トド松とは生まれる前から共にいて、俺にとっては全て理解し全てを共有し合える存在だった。

そんなものは幻想に過ぎなかったのだと気付いたのはもう随分前のこと、中学に上がった頃には俺はトド松の考えてることなんて殆ど解らなくなっていた。

トド松の入口が少し広がってきたので一旦指を抜いてトントンとノックをしてから今度は二本指を挿し入れた。


「……んん」


枕の下からくぐもった声が漏れだし、顔が見たくなった俺はトド松から枕を剥ぎ取った。

真っ赤な顔で涎を垂らす弟の顔を見て、俺がコイツに快楽を与えているのだと愉悦を感じる。

なぁトド松?お前が作り上げたかった“優しい兄さん”はこんなことするのかよ。

中学に上がった頃から距離が出来だした俺達だったけれど一般的な兄弟と比べればまだ近しい関係だったと思う、その頃から俺は長男のおそ松よりも“良いお兄さんだね”と言われることが多くなった。

今思えばそれは人前でトド松が我儘を言ったり辛辣な態度をとって俺がそれを聞いて許していたからだろう、お前がクラスメイトや部員の前で繰返し、やがて“我儘な弟と世話好きの兄”という印象を根付かせていったんだ。


「ふぁっ……んん……!」


二本の指をバラバラと動かしてやると甘い声を洩らすようになった。

入口付近にある突起を指で挟むと一層高い声トド松の肩が跳ねる、そろそろ良いかと指を三本に増やし中をグリグリとかき混ぜた。


「ああっん」


前を全然触っていないのにトド松のペニス先端からは先走りが溢れ竿を伝って俺の手を濡らす、女を知らない無垢なそれを口で愛撫してやりたくなったが、俺の方も限界だった。

指を抜いて完全に勃った己のペニスに被せようとコンドームの袋を手に取ると、トド松が「待って」と制止をかけた。


「ゴム、つけなくていい……生でして」


息も絶え絶えにそう訴えてくるトド松に俺は驚きで目を見開いた。

一番初めに生でしたら翌日腹を下して次からはコンドーム着用が義務付けられていたのだが、どうしてそれを自分から破ろうとするのだろう。


「なんでだ?生はイヤじゃなかったのか?」

「イ、イヤなわけじゃないし……」


そう言ってトド松は無理やり笑みを作った。


「だって、これで最後でしょ?……だから兄さんを生で感じたい……」

「……は?」

「いいじゃん、ずっと主導権握らせてあげてたんだから、最後くらい我儘聞いてくれても……」

「ちょっと待て」


何を言い出すんだコイツは、お陰で少し萎えてしまったじゃないか……最後って、もうこれで俺とセックスは終わりにするってことか?なんでだ。


「なんでそんなことを、もう俺とセックスしたくないのか?」

「違うっ!それは兄さんの方でしょ?今日は消毒でしてくれてるだけでホントはもう僕とはやりたくないんじゃないの?」


と言って涙を浮かべるトド松に、こちらが泣きたくなった。

怒った演技をしていたか、前戯もそこそこに穴だけ慣らして突っ込もうとしたからか、その両方だろうか、とにかく誤解を与えてしまったらしい。


「トド松……」

「うん?」


名前を呼び、チュッと音を立てて額に口付けた。


「へ?」

「トド松」


もう一度名前を呼び今度は右頬に、左頬に、鼻先に、口付けを落としてゆく。


「にいさん?」


今まで冷たかったのに、突如甘い声が降ってきて戸惑っているのか不安げな瞳で見上げてくるトド松に微笑みかけ、唇に吸い付いた。


「ん?……んんっ!!はっ……にぃさ……!!やぁ」


唇を吸ったり噛みついたり舐めたりしていると口を開けたので素早く舌を差し込み、歯の裏あたりを舐めてやればトド松の体はビクビクと震えた。

そのまま歯列をなぞって奥を突ついたり上顎部分を舐めていると自分の舌で追い出そうとするので遠慮なく絡めとる。


「ふ……ん!?んんんっ!?」


驚いたり感じたりする声に興奮を覚え、更に激しく口腔内を攻め立てる、トド松の手を自分の首に回してやると強く抱きついてきた。


「ん……はぁ」

「ぅん……ふぁっ」


そうして息苦しくなるまで執拗に続いた口付けを止めると、トド松の眼はトロトロにとけて俺を見詰める、俺も相当だらしない顔をしているだろう。

トド松の背中に腕を回し起き上がらせて抱き締める。


「トド松、好きだ」

「……」

「愛してる」

「……」

「本当なんだ……信じてくれ」

「うん、僕も」


ホッとしたような照れたような響きが耳元に落とされる、ああ良かった信じてくれたようだ。

俺はトド松と目を合わせて「いいか?」と聞いた。

トド松はこくんと頷いた。


「あっ!あっやっあっ!兄さ……っ!いきなり激し!!」

「トド松っ!トド松!トド松!」


コンドームを着けないまま挿入したトド松の中は柔らかく暖かで、まるで天使の羽毛に包まれているようだ。

以前そんなこと言ったらトド松に痛いと言われ叩かれたので口には出さないが今もそう思う。


「あっあん!カラまっ!からまつ!……からまつぅ!」


止まらない律動にひっきりなしに嬌声を上げる弟は、天使というより地に堕ちた獣だ。

どろどろに甘やかして俺無しじゃ生きられないようにしてやりたい、ずっと俺の庭で守ってやっていたい。

しかし、コイツはきっと俺よりも強くて、外に出ても一人でやっていける力があるのだろう、それがどうしようもなく怖い。

俺の後ろを付いてくる、顔も性格もよく似た弟を守ってやれていたのも小さなうちだけで、それだってコイツを傷付けていた。


「ごめんな、トド松」


気付いてやれなくてごめん、お前はずっと俺が好きで、俺に笑ってほしくて頑張ってくれていたのに


「あっ……え?」

「愛してる、ずっと傍にいてくれ」


置いてけぼりを怖がっていたのは俺の方だ。


「はぁ……ああっ!に、にいさん……ぼく、もう」

「ああ、一緒にいこう」


絶頂にむけラストスパートをかける。


「ああーー!!」

「……くっ!」


そして俺はトド松の中に、トド松は俺の腹の上に白濁をぶちまけた。




69 69 69 69 69 69




あの後もう二回ほど抱き合った俺達は、湯を温め直した浴槽に向かい合って浸かっていた。

先程「もったいない、まだ出したくない」という可愛い我儘を振り切りトド松の中から俺の精液を掻き出したばかりだ。


「大丈夫か?こっちに来い」


ぐったりと浴槽の端に寄りかかっていたトド松を呼ぶと素直に此方へ来て俺の股の間に納まってくれた。

思えば今日のトド松は頭を殴られて、拉致されて、数人の男と格闘し、強姦されかけ、過呼吸を起こし、気絶したのだ。

今更ながらよくそんな弟に手を出したものだなと自分に呆れてしまう、しかも途中までは懲りさせるつもりで怒った演技までして。


「……それにしてもよかった……兄さん演技で、僕ほんとに嫌われたかと思った」

「う……すまない」

「いいよ、僕の為を想ってしてくれたんだし……でも」


チャポンと音を立てて水面が動く、トド松が俺の頬に額を寄せてきた。


「僕、兄さんに嫌われたんだと思って怖かった……他の人からは何を言われてもどう思われても平気だったのに、兄さんに嫌われたら死んじゃうんじゃないかって思った……」

「そうか」

「だからね、もしこれから兄さんが僕を嫌いになっても言わないでね、お願い」

「いや、それは出来ない」


言葉の少ない俺でも言わなければいけないことは解る。


「お前が嫌いになったらハッキリそう言う、だからお前は俺がそう言わないうちから自分が嫌われたなんて思わないでくれ……」

「……そう」


そんな日は一生こないだろうけれど……


「俺だって、回りにどう思われようと構わないんだぞ?それよりもお前の方が大事だ」

「本当に?あんなに格好つけてるのに?」

「ああ、お前に格好よく思われたくてしてるんだからな」


そう言ってもトド松は信用してくれていないようだった。


「トド松、俺は本気だぞ?どんなお前だって好きだし普段から兄弟の中で一番俺に我儘を言ってくれるのも嬉しい、まあお前の心象が悪くならない二人きりの時にしてくれたらもっと嬉しいけどな」


寄せられた額に口付けを落としてから更に続けた。


「大事な奴は他にいても俺がこういう時間を過ごしたいと思うのはお前だけだよ、お前だけ特別好きだ」


するとトド松は真っ赤になって震えだしたので、またいつもの「イッタイねえ!」がくるのかと身構えていると、ピタリと震えを止めて……


「もう、カラ松兄さん……」


くしゃりと泣き笑いのような表情を浮かべた。


「だーい好きだよ」


ハートマークが飛び出るんじゃないかというくらい甘い声を出して俺の首に顔を埋めるトド松を感じ。

今回はコイツを傷付けずに済んだのだとホッとするよりも、再び猛ってきた己の中心をどうしてしまおうかと途方にくれたのだった。



END




反省点↓↓

あんまりエロくならなかった

私は喘ぎ声のレパートリーなさすぎる

ほんでトド松の名前は連呼するとちょっと笑えますね

あとカラ松に俺のビッグマグナムとかエクスカリバーとか言わせたかったのに無理だった……