海星のダンス2

松野カラ松は鈍感である。

これを否定する者は彼の知り合いにはまずいないだろう、ただ実際は己に敵意や嫌悪を向けてくる者の言動をシャットアウトしているだけにすぎない。

だから大切に想われている筈の家族から痛いと言われれば原因が気になるし、急に怒らせてしまえば戸惑ってどうしていいか解らなくなる。

別に好意に関してはそこまで鈍感ではないのだ。

だからトド松がカラ松のことを好きなことは薄々気付かれていた。

自分が楽しそうにしていればトド松も楽しそうにすること、自分が悲しそうにしていればトド松も悲しそうにすること、時々熱の籠った目で見詰められることも、カラ松の目線が他のものにいっていると寂しそうに笑うのも全部知っていた。


しかしトド松はその恋を成就させる気は無いようだった。


カラ松への執着が本格的になってくるのと同時に彼は家の外へ目を向けるようになった。

きっと実の兄に恋をしたことが恐ろしくなったのだろう。

どうにかして真っ当な恋をできるよう女性と関わりを持つようになり(昔から女友達は多かったけれど)兄弟と同じ行動をとらないよう趣味の範囲を広げた。

まるで自分には兄など必要ないと言い聞かせるように他人との関係を大切にしだした。


だからカラ松も彼に習って他所へ目を向けるように努めたのだ。

可愛い弟が望むならと外の世界へ出て、自分に似合った女性を探すようになった。

自分を必要としてくれる女性であれば別に誰でもよい、本気で恋をしなくても良かったのだ。

その後ろめたさから女性に対して特に寛容になりすぎていた自覚はある、借金は流石にやり過ぎたと反省している。

前回は家を汚したり花を巨大化させ多くの人間に迷惑をかけてしまったが今回はトド松に多大な迷惑をかけてしまった。


だからカラ松は詫びになんでもしたいと申し出たのだ。

その結果がコレ。


「だからね兄さん、最初のデートから遅刻してくる女はダメだって、兄さんが好きなら緊張して朝も早く起きちゃうだろうし服だって前々から準備してる筈だよ?あと約束の時間も三十分過ぎてんのに電話一本入れて来ないってどういうこと?あと僕から誘って遅刻したんだから少しは怒っていいんだよ」


と、わざと待ち合わせに遅れてきたトド松にのっけからダメ出しをされる。

駅前の銅像前に十一時に待ち合わせの筈が今は十一時半、幼いころの気の短かった自分を考えれば大成長だと思うがその短気に一番付き合わされていた筈の弟はご立腹の様子だった。

だいたい今朝早く起きたのも、この日の為に新品の服を準備していたのもトド松だろうに。

連絡を入れなかったのは彼が自分よりも早く到着して物陰に隠れて待っていたのを知っているから、あと十分待たされたら声をかけようと思っていた(トド松がいた場所は日陰でここよりも寒いから)


「あとデートの費用は男側が払った方が格好つくけど金欠のときは無理しなくていいんだからね、払えないって言って不機嫌になったり、それでも奢らせてくる女はダメだからね」


と、言って前を歩いて行ってしまう。


「もう早く追い付いてきてよ」

「ああ……これからどうするんだ?」

「そうだね、僕も兄さんも金欠だからハンバーガーでも買って公園で食べよっか?兄さんがしたいことあるならそっちでいいけど」


なんて言って横目で見てくるトド松にカラ松は笑って「いや、それがいい」と応えた。

そんなデートの仕方があるのかと正直目から鱗だった。

トド松がしっかりした女性とちゃんとした交際が出来るようになるまで練習台になると言ったのは本当にカラ松の恋愛経験値が不足していたからかもしれない。


(少し期待していたんだがな……)


震える手を伸ばされた時、この弟が漸く自分を必要としてくれたのだと思ったのに、本当に練習台になろうとしているのに気付いて勝手ながら失望している。


(告白しても困らせるだけなんだろうか)


カラ松は初めてトド松を特別に感じた日のことを思い出す。


あれはトド松がカラ松を特別な存在として見詰めだすより少し前だったろうか、日常のふとした瞬間に“ああ俺はコイツのことが好きなんだなぁ”と思い、一瞬驚いてしまったが、すぐに納得してしまったのだ。


だってその頃から自分はどう考えてもトド松のことが大事だったから――


「ねえさっきから上の空だけど誰のこと考えてるの?兄さん」


トド松の声にハッとするとそこはハンバーガーショップの前だった。

此処まで自分の腕を引いて歩いてくれていたのだろうか、意識していなかったことを勿体無く思う。


「別に誰のことも考えていないが……」


昔のお前のことを考えていたなんて恥ずかしいので嘘を吐くと、トド松は「ふーん」と疑わしげに呟いた後そっぽを向いた。


「嫉妬したのか?」

「ちがっ!!」


そっぽを向いていた顔がぐりんと勢いよく戻ってくる、すこし面白い。


「……まぁ嫉妬する子は可愛いけど、これくらい我慢できない子は結婚したらきっと鬼嫁になるよ?お嫁さんにするなら兄さんは気が多くて誰にでも優しいんだって理解してくれる子じゃなきゃね」


そう、どこか寂しそうな表情をして言っているけれど本人は普通にしているつもりなのだろう。

いったい“結婚したら”と“兄さんは気が多くて誰にでも優しい”のどちらの言葉に寂しくなったのか、もしかしたら両方かもしれない。


「恋人が出来たら一途になるさ」

「ほんと?うん、そうした方がいいよ」


と、また寂しそうに笑った。

和牛バーガーとフィッシュフライバーガー、ポテトとホッとコーヒーを買った二人は袋の耳を片方ずつ持って公園に向かう。


平日の昼間だからか、小さい子を連れた母親とウォーキングをしているお年寄りくらいしかいない。

静かでいい風が吹いていて、太陽の光りがぽかぽかと暖かいベンチに座り、冷めぬうちにと食事を始めた。


「たまには外で食べるのもいいもんだな」

「うん……」

「どうした?」


フィッシュフライバーガーを一口食べたきり、噛み口を見詰めて黙り込むトド松に声をかけた。


「いや、兄さんあんま楽しそうじゃないからさ、悪いことしたかなって」

「そんなことない、お前とこうして過ごすのは楽しいさ」


釣り堀で数時間無言で過ごせるような仲なのだから相手が楽しそうにしていなくても特に気にしなくていいように思う。

それでもトド松は納得いかないように首を振った。


「でも大丈夫だよ兄さん、何事も練習ってのは楽しくないもんじゃん、本番はきっと楽しいよ」


だから早く好きな子と付き合えるように頑張ろうね、とトド松は言う。


「それまで僕を練習台だと思っててね」



そう言われた瞬間、カラ松は己の心に深く矢が突き刺さされたと感じたのだった。




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昼食を摂ったあと公園を散歩したり商店街を散策したりして時間を過ごした二人はトド松がバイトがあるというので夕方には別れた。


歩きながらトド松が普段どのようなデートをしているのか聞いてみると、一緒に買い物をしたり、おいしいものを食べたり、カラオケに行ったり、ボーリングに行ったりと随分と健全な……というか同性の友達と遊ぶのと大差ないようなことをしているのが解った。

トド松曰く「だって女の子が夜遅くまで出歩いてたら危ないじゃん」らしいのだが、飲む機会があっても終電までには帰すし、基本暗くなる前に女性を家の近くまで送り届けるという話を聞き、お前ヤル気ないだろうと呆れてしまった(が、一人だけ童貞卒業されても癪なので言わないで置いた)

逆に自分はがっつき過ぎていたのだろうか……と反省しながらカラ松がとぼとぼと家に帰ると、玄関で一松と十四松が待ち受けていた。


「た、ただいま」


仁王立ちの一松と関節があるのかないのかクニャクニャしている十四松に驚きながら挨拶の声をかけると十四松が「おかえりなさい!」と元気よく返事をした。


「一松兄さん」

「……おかえり、クソ松」


十四松に目線で促され一松も挨拶を返す、それにカラ松はもう一度「ただいま」と笑った。


「兄さんトド松とデート楽しかった!?」


と、十四松に聞かれカラ松はギクリとする、自分はおそ松には話しチョロ松にも何故かバレていたが、この二人にはまだ話していなかった。

二人とも末の弟を大事にしているので、トド松を使って恋愛の練習事をしているなんて知って内心怒り狂っているのではないかと冷や汗をかく。


「ちょっと話があんだけど、いい?」

「……ああ」


弟からそう言われて断れるような兄ではない。

前に一松、後ろに十四松と挟まれたカラ松は処刑台へ上がる囚人のような気持ちで階段を上った。

部屋に入ると、ソファーの前に一松と十四松が座ったのでカラ松はその正面に胡坐をかいて座る、なんとなく正座では説教をされているような気がするからだ。


そのまま暫く部屋に沈黙が落とされる。


「一松兄さん」


再び十四松が目線で促し、一松は大きく息を吸ったあと言葉を紡いだ。


「おそ松兄さんとチョロ松兄さんから事情聞いた……本当うちの末弟バカじゃないの……」

「あ、えっと……」


自分ではなくトド松を責められたことにカラ松は一瞬戸惑うが、すぐに弟をフォローしようと口を開く。


「でもアイツは俺のことを思ってくれているんだ」

「だから言いなりになってんの?お前もバカなの?」

「う……」


鋭い目線で睨まれ言葉を詰まらせた。

こういうときの一松の瞳は虎や獅子を思わせる。

だが、一松はすぐに眼力を緩めて、比較的穏やかな声でカラ松に語りかける。


「俺は別に……お前は、変わらなくていいと思うんだけど」

その言葉にカラ松の心は急浮上した。

「そ、そうか!ありがとな!」


最近ダメ出しばかりされていたから認めて貰えたようで素直に嬉しかったのだ。

十四松はニコニコ笑って、一松の脇腹をつんつんと叩き続きの言葉を促した。

一松は肩の力を落とし、一つ一つ確認するように語りかけてきた。


「……お前は自分のこと好きだろ?」

「当然だ」

「みんなのこと好きだよな?」

「勿論、俺はみんなを愛してるぜ」

「……みんなから好かれてるのも知ってるよな?」

「ああ!みんなに愛されて俺がいる、さしずめラブハンターと言ったところか」

「ほら、完璧じゃん」


若干痛い言い方だったが、突っ込むことはせず一松はうんざりしたように呟いた。

どうすればこんな風になれるのだろう、一松だって自分が兄弟を好きなのも兄弟から好かれてるのも知っている、あとは自分自身を好きになればもっと理想の自分に近づけるのに……そうやって一松が悩みの深淵に沈んでいきそうになっていると、隣の十四松のキラキラした眼差しに気がついた。

そうだ、今はそんなことで悩んでいる時ではなかった。

もう一度大きく息を吸うと、普段のぼそぼそとした声ではなく腹からはっきりとした声を吐き出す。


「だから変わらなくていいんだよ……お前は」

「ん?」


どこか含みがある言い方にカラ松は一松の顔を見る、ああ、これはチョロ松がよく見せているアレだ。

弟の顔から兄の顔への急速な変化、これが出来るのは三男だけかと思っていたら四男も可能だたったようだ。


「トド松は、あの通り自分のことが好きだよ、みんなのことも何だかんだ好きだと思う……たださ」


一松は眉を寄せ、忌々しげに言葉を出した。


「自分がみんなから好かれてると思ってない、思ってても優先順位は最下位あたりだろと思ってるんじゃないかな」

「……え?」


カラ松は己の耳を疑った。

トド松がみんなから好かれていないと思ってる?

そんな、まさか……しかし。

カラ松は、すぐに否定したかったが二人の間で聞いている十四松は固唾を飲んで見守っているのを見て真剣みを取り戻した。


「だって六つ子で兄弟にランキングつけてんだよ?あの時アイツ性格の合う合わないって言ったけど、きっと自分への態度で決めてる……そして、みんなの態度を見て勝手にみんなの兄弟ランキングも決めてるような気がする」


兄弟のことよく見てるからね、と一松は続けた。


「……そうだな、俺もああ言われてから他の兄弟がどんなランキングを付けているか気になって考えてみた……結局解らなくて止めたが」


トド松はどうだろう、感情の動向を予測できなくても感情の機微には鋭いから、誰が誰をどれくらい好きなのか解ってしまっているかもしれない。


「俺と十四松はお互いに仲が良い、多分お互い一番好き、おそ松兄さんは俺や十四松に過保護だしチョロ松兄さんの行動も気にしてる、チョロ松兄さんは俺とかボケ四人を構いがちでおそ松兄さんと喧嘩する程なんちゃら、二人とも真ん中のお前と連るむことが多い、そして打たれ強くて割と手の掛からないトド松は雑に扱われることが多い」


軽く愛されてる自慢をしながら一松はカラ松をギロリと睨んだ。


「で、お前は?昔アイツの相棒だったけど他と態度変えたりしてる?してないよな?誰の前でも痛々しくて格好つけて、トド松も他の兄弟と同じように扱ってるよな?アイツへしてる特別な態度って言ったら弄るか苛めるかツッコミ無視するか忠告無下にするか、それくらい……」

「いや、連れ立って出掛けたりはする方だが……」

「だからその時の態度が問題なんだよ、二人きりでもいつもとそう変わらないんだろ?そりゃ何も期待できないよ、アイツは昔からお前を特別大事にしてるって俺でもわかるのに」


一位だと言ったのは、きっと嘘じゃない。

あのドライモンスターが損得勘定無しで、むしろ損をすると知っていて付いて行こうとするのはカラ松だけだ。

だが、これにはカラ松も反論を覚える、トド松の前で他の兄弟と同じ態度なんてとれるものか、恋愛対象になっていると悟られなくとも、兄弟として特別大事にしているつもりだ。

トド松の前ではいつも以上に格好良く決めようと心がけ……結果的に痛みを与えてしまっているようだが、特別扱いしていないなんてことはない。

だがカラ松がそれを言う前に一松が続きの言葉を投げ掛けた。


「おぼえてる?アイツみんなが“興味ないと思って”一人で富士山登ったこと言わなかったんだよ?」


囲碁やジムならともかく危険が伴う登山なら事前に言っていても可笑しくない、なのにトド松は誰にも言わなかった。


兄弟の真似が上手くて人心掌握術に長けたトド松が本当に他人に興味がないなんてことはきっと無いのだと思う、けれどトド松は本気で自分のことなんて誰も興味がないと思っている。


「頼る時は末っ子の特権フルに使ってくる癖に、自分は兄弟にたいして好かれてないと思ってるよね」


あざとくても甘えていてもきっと期待なんてしていない、根っこに栄養がいっていないのに表面上だけ花が咲いたように振る舞うのだ。


「俺、アイツはお前には何でも話すのかと思ってた」

「え?」

「二人が話してるときアイツが一方的に喋ってるように見えたけど、お前もちゃんと聞いてたと思うし」


そう言われカラ松はトド松との会話はけして苦ではなかったことを思い出す。

長々と小言を言って愚痴を溢しカラ松が痛いと指摘する、でも最後には“ずっとこのまま平穏に暮らしていたい”と、全てを受け入れたような笑顔を浮かべる、その瞬間が好きだった。

あの顔を浮かべるトド松は本当は変化なんか望んじゃいないのかもしれない、むしろ変わらずにいて欲しいと願っていたのかもしれない。


「……」

「だから、俺が変わってほしいのは……」


と、一松はそこで言葉を区切って目覚まし時計を確認する。


「そろそろ餌やりに行かなくちゃ」


そう言ってスクっと立ち上がった。

十四松は一松を見上げたが付いていこうとはしなかった。


「あ……」

「最後にもう一つ言っとく」


一松は部屋を出る前に一度振り返り、カラ松へ向かって、いつもカラ松がするような笑みを浮かべた。

動揺する兄を見て内心に優越感が生じる、ざまぁみろ。

この笑みで全て分かったような口を利かされた相手がどれだけ苛立たされるか思い知ればいい。


「トド松はきっとお前に無理させてる今の自分のことが大嫌いだよ」


みんなが好き。

みんなから好かれていない。

自分のことが嫌い。

カラ松が好き。

カラ松に幸せになってもらいたい。

でも自分といるカラ松は幸せそうじゃない。

このままでは嫌われてしまうかもしれない。

こんな自分が大嫌い。

それでも笑顔を絶やさない、強い弟。


――それが僕らのかわいい弟


「だからお前もアイツの前でくらい自分の嫌いなとこ見せたら?」


本当はトド松の言葉ひとつで天国にいくほど舞い上がったり地獄にいくほど落ち込んだりする。

けれど格好良くありたいからトド松に悟られないよう演技を固めている、負の感情を見せないよう努力する。

けれど涙を堪えきれない、弱い兄。


――それが僕らのカッコイイ兄さん


「僕からは以上です」


一松は最後に自分らしい笑顔を浮かべた後、本当に部屋を出ていってしまった。

部屋に再び沈黙が落ちる。


「……」


それを破ったのは十四松だ。


「僕、一松兄さんがこんな喋るの初めて聞いた!カッケー!!ね?カラ松兄さん」


興奮したように十四松が聞いてきたので少し戸惑った。

カラ松も一松があんなに喋るのは初めて聞いた。

きっと普段はよく考えて言葉を選んでいるんだろう、十四松も含めトド松が弟同士の方が意外と話が通じるのだと言っていたのはこういうことかもしれない。


「ああ……そうだな」


たしかに今の一松は格好良かった。

トド松の兄にしておくのが少し不安になるくらい。


するとカラ松の両手に正面から黄色い袖が伸びて来てぎゅっと握った。


「十四松」

「あのね、ああやって正直な気持ちをそのまま伝えるのって全然カッコワルイことじゃないんだよ、兄さん……」

「そうだな」


十四松の方を見ると、珍しく焦点があっている瞳が目に入った。

そこに映る自分の顔は酷く迷っているように見えたけれど、嫌いではない。

大切な兄弟達とそっくりな顔ならきっとどんな表情だって好きになる。


「トド松はきっとどんな兄さんでも好きだよ」


その言葉にトドメを刺された。


「……フッ……サンキュー、マイブラザー」

「お礼はいいから、トッティのことオナシャスね、兄さん」


十四松は満面の笑みを浮かべながらカラ松の手をぶんぶんと振った。

やっぱりカラ松は弱くない、帰ってきた時は落ち込んでいたようだけどもう立ち直っている、嬉しい、兄さん大好き!!

立ち直らせたのが四男だというのも誇らしいし、もっと言えば長男と三男から次男のことを託された自分たちが誇らしい。


十四松はおそ松の言葉を思い出して、もっともっと嬉しくなった。



『やっぱ俺はさぁ、兄には弟が、弟には兄がついててやった方がいいと思うわけ、だから鈍めんどくさい次男のことはお前らに任すよ』


『そのかわり痛めんどくさい六男のことは兄ちゃん達に任せとけ』


――大丈夫



『絶対アイツらうまくいくから』







To be continued